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ホーム > ニュース > 2023年11月6日掲載





大会の最後には、「ライドシェア合法化を阻止し、公共交通に携わる使命と矜持をもって、新しいハイタクの未来 に向けて、
全自交労連団結して頑張ろう」と溝上泰央中央執行委員長が檄を飛ばし、大会に参加した約200人 の仲間が思いを一つにして拳を突き上げました


松永書記長が勇退 野尻新書記長を選出

全自交労連は10月16、17日、静岡市の「あざれあ」で第81回定期大会を開催。ライドシェア阻止を大きな柱とする2023年度運動方針を確立しました。今大会は役員改選年にあたり、38人の新役員が満場の拍手で承認されています。12年間の長きにわたり、中央書記長としてハイタク労働者の待遇改善に努めた松永次央書記長が勇退し、野尻雅人書記次長が新書記長に選出されました。退任する松永書記長には来賓や代議員から多くの感謝の言葉が寄せられました。
引き続き、全自交労連を率いる溝上泰央中央執行委員長は、ライドシェア問題について「今が正念場」と語り、業界労使全体の一致団結を呼び掛けました。
活動報告案と運動方針案を野尻書記次長が提案し、決算報告と予算案を水野潔財政部長が提案。予算案は大幅な支出削減を前提とした緊縮予算となりましたが、全議案が満場の拍手で可決されました。 主催地となった静岡ハイタク連合会の仲間や、議長を務めた青島幸弘代議員(静岡)と林三樹郎代議員(東京)の尽力により、成功裏に定期大会は幕を閉じています。
大会には、代議員83人(うち委任33人)、中央委員54人(委任23人)、役員39人、傍聴や記者など約40人が参加。交運労協の住野敏彦議長や、立憲民主党の逢坂誠二代表代行ら多数の来賓が大会に出席し、ライドシェア阻止に向けた力強い言葉を全自交の仲間に贈りました。


あいさつする溝上泰央中央執行委員長
溝上委員長あいさつ
ライドシェア問題は正念場

溝上泰央中央執行委員長は全自交労連を代表してあいさつし、大会開催地となった静岡ハイタク連合会の尽力に「心から感謝と敬意を申し上げたい」と述べました。出席いただいた来賓に感謝し、運動方針確立に向けた活発な議論を呼び掛けました。
政府が解禁を検討するライドシェアの問題について「事業者も労働者も、都市部も地方も関係なく、ハイタク業界全体で取り組まなければ勝ち目がない」と危機感をあらわにし、「全自交労連は、今が正念場であると考え、運動を強化しています。最後は現場でお客様に接する皆様の対応が、一番効果的であることは間違いありませんので、引き続き接客・接遇、安全・安心の担保をお願いします」と呼び掛けました。
報道されている『神奈川版ライドシェア』については「わけのわからない提起。運行管理をタクシー事業者に任せて安全の担保を考えているのでしょうが、その安全コストはどこが出すのか」と強く問題視しています。
「『ライドシェアを導入しないバカな国』と言った方がいますが、先進国と言われる38ヵ国中、30ヵ国はライドシェアを禁止しているのが事実です。逆に、ライドシェアがある程度普及しているのは、アメリカと中国であり、その理由は、『利用者に必要とされるサービスを、きちんと提供できているタクシーがいない』ことにつきます」と、日本にライドシェアは不要であることを強調しました。

また河野デジタル大臣らが主体となっている「デジタル行財政改革会議」について「会議のメンバーには、誰一人交通の専門家がいないにもかかわらず、ライドシェア解禁の議論をしようとしています」と厳しく批判するとともに、「日本維新の会が躍進すれば、ライドシェア導入につながるので、次の選挙には、いつも以上に取り組まなければなりません」と述べました。
また世界の情勢について触れ、平和運動への参画を強調するとともに、秋田豪雨で被災した仲間への支援カンパの協力に感謝しました。
今大会で退任する松永次央書記長に対し「12年間にわたって、本当に長い間、重責を担って頂いたことに、深く感謝を申し上げます」との言葉を贈りました。
そして全自交労連の運営については、極めて厳しい緊縮予算を組まざるをえなかったことを報告し、「全自交労連が持続可能な組織として、これからも日本のハイタク労働者の先頭に立ってけん引して行けるように、ご理解をお願いします」と述べ、「大変厳しい時代ですが、明るい未来に向けて、ともに頑張りましょう」と締めくくりました。





質疑に答える松永次央書記長

運動方針を提案する
野尻雅人書記次長
大会1日目に運動方針を提案した野尻雅人書記次長は「われわれエッセンシャルワーカーに相応しい賃金を獲得しなければ、新しい人材は入ってこない」、「2024年問題はハイタクも例外ではなく、賃金を下げずに労働時間を短縮する難しい課題がある」と語りました。

松永次央書記長は質疑に答え、継続的な運賃改定の必要性を強調しつつ「10%超の改定は簡単ではない」とも説明。
まず現在の運賃改定による賃金改善を確実に勝ち取る重要性を語りました。営業区域の拡大については、人口密集地で競争が激化し、過疎地でさらにタクシーが不足するような事態を避ける必要性があると説明しました。
大会のまとめでは、外国人労働者の受け入れについて「否定はしません。ただ仕事をしていただくために基準は必要」と述べ、日本の交通ルールや、日本語の読み書き、接客の対応は不可欠との考えを表明。また、車いすの利用者に対し「どうか精一杯の対応を」と組合員に求めました。





壇上で思い新たに 新役員が抱負

各ブロックからの推薦に基づいて2023年度役員体制が承認されました。野尻雅人新書記長は「今後、ライドシェアの阻止はもちろん、財政を再建し、組織の継続を目指していきます。全国組織であることのありがたみは、私もKPUからの合流組ですので、本当に実感しています。地方の皆さんの声を、より、お聞きして全国運動を続けて参りたい」と抱負を語りました。
新たに、副中央執行委員長に、松本和也氏(東京)、内田亨氏(東京)、井上修氏(愛知)の3氏が就任。常任中央執行委員に本田明広氏(東京)、石橋剛氏(富山)、中央執行委員に本木弘氏(東京)、谷口雅也氏(愛知)が選出されています。
溝上泰央中央執行委員長は「私自身、2年間委員長を務め、ようやく初心者マークが取れたところですが、見ての通り、三役9名中4名が新人です。永い目で見ていただき、未来に向かってしっかりと、皆さんの生活とハイタク産業の発展を目指して頑張っていきたい」と新役員を代表して決意を示しました。


松永書記長「助けていただき感謝」


退任あいさつで、松永次央書記長は「皆さんに助けていただき今日までやってこられました。素晴らしい仲間にめぐりあえたこと、12年間皆さんに助けていただいたことに本当に感謝します」と思いを述べました。見須一隆副委員長は「全国の皆さまと触れ合う機会は、一生の思い出」、森合剛副委員長は「大和自交労組より、私の後任となる内田さん、そして書記長となる野尻さんを、全国の皆さまに育てていただきたい」と語り、直井幸男中執、靑木隆行中執、畠下幹男中執は、今までの感謝と、全自交のさらなる発展を願う言葉を残しました。


渡邉さん
大会宣言

静岡ハイタク連合会の渡邉雅孝さんが「移動する権利をもつ全ての利用者のために、全ての働く者と家族のために、我々はライドシェアと闘い全力で合法化を阻止する。そして安心して働ける賃金・労働条件を獲得し、我々自身の手で地域公共交通を守り抜くことを宣言する」と大会宣言を読み上げ、満場の拍手で承認されました。


渡邉さん
静岡ハイタクの歓迎

歓迎あいさつする静岡ハイタク連合会の三役。西尾喜久夫事務局長は、「2013年6月に静岡ハイタク連合会が発足して以降、お世話になった松永書記長が退任されるということで、ぜひ静岡で送りたい思いがありました」とあいさつ。後ろに並ぶのは右から新垣賀規議長、杉山直久副議長、木村仁志副議長。


渡邉さん
次回大会は神戸

次の第82回定期大会は、2024年10月15、16日に神戸市で開催する予定です。
第81回大会で大会旗の受け渡しが行われ、静岡ハイタク連合会の新垣賀規議長と西尾喜久夫事務局長が、兵庫地連の北坂隆生委員長、成田次雄書記長にバトンを渡しました=写真。


国交省「特区でも認めぬ」を維持

立憲民主党や国民民主党、社民党など超党派の議員が集うタクシー政策議員連盟(辻元清美会長)は10月27日に総会を開き、風雲急を告げるライドシェア問題について、行政や業界労使の意見を聞きました。議員や秘書、101人が参加しました。
辻元会長が「今年4月に、国交省自動車局長は「特区でもライドシェアを認める考えはない」と国会で答弁したが、この考えを堅持していくか」と聞いたところ、国土交通省物流・自動車局の舟本浩官房審議官は、明確に「特区についても(認めない)スタンスは変わらない」と回答。内閣官房デジタル行財政改革会議事務局の齋藤喬参事官も「国交省と同じスタンスで考えている」と答えました。
利用者の安全とタクシー乗務員の待遇を守る視点で、道下大樹、落合貴之、渡辺周、階猛、城井崇、篠原孝の各衆議院議員が発言しました。
議連総会後に行われた記者会見で、
記者の質問に答える議員連盟の幹部ら。
正面右から小宮山泰子幹事長、辻元清美会長、
森屋隆事務局長、講演したITFの浦田誠政策部長、
道下大樹事務局次長

溝上代表幹事
ハイタクフォーラムの溝上泰央代表幹事は「ライドシェアで問題は解決しない。我々ハイタク労働者は国民の移動を担う使命と矜持を持って、できることはなんでもやる所存。真面目な事業者と労働者がむくわれる政策を」と求めました。交運労協の住野敏彦義長は「働く者の生活を無視している」と怒りをあらわにしました。全国ハイヤー・タクシー連合会の川鍋一朗会長は「タクシーの規制を緩和するだけで問題は解決する」と訴え、「ライドシェアは『ワーキングプア製造装置』。そんなモノを今さら作ってどうするのか」と述べました。

20日に質問主意書提出政府の見解をただす!

辻元清美参議院議員
「ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問主意書」

森屋隆参議院議員
「ライドシェアが地域公共交通等にもたらす影響に関する質問主意書」

参議院のホームページから閲覧できます。ぜひご覧ください。10月31日には政府の回答が出る予定です。


交通の安全と労働を考える市民会議 緊急集会

「交通の安全と労働を考える市民会議」は10月24日、緊急院内集会「ライドシェア導入に待った! 解禁論の問題を斬る」を開催。終了後には記者説明会も行われました。
まず国際運輸労連(ITF)の浦田誠政策部長が、世界の先進国の8割で、すでにライドシェアが運行中止となっている事実や、ニューヨークでタクシーの6倍、ロサンゼルスでは40倍のライドシェアが走り、過当競争を引き起こしたことを報告しました。日本労働弁護団の木下徹郎常任幹事はライドシェア運転者が労働者として保護されない問題を掘り下げ、桜美林大学の戸崎肇教授は、タクシーなどの公共交通がライドシェアによって破壊される危険性を指摘しました。
現場の労働者を代表し日本交通横浜労組の佐藤秀幸委員長(全自交神奈川地連副委員長)が発言。「低賃金で長時間働き、コロナ禍ではエッセンシャルワーカーの役割も担ってきた。ようやく賃金が上がってきたところで『タクシー不足なのでライドシェア解禁』というのは、あまりに短絡的で根本の問題解決には至らない愚策だ。ライドシェアがやろうとしていることでタクシーにできないことはない」と強く訴えています。
NHKのカメラをはじめ、約30人の報道陣が取材。
100人以上の市民や議員が参加しました



全自交静岡ハイタク連合会は、第81回定期大会の歓迎レセプションを10月15日、静岡市の静岡第一ホテルで開催しました。
全自交の役員に加え、来賓として、連合静岡より中西清文会長、角山雅典事務局長、静岡県交運労協より牧田靖弘議長、国民民主党より榛葉賀津也幹事長、田中健静岡県連会長、静岡県労働金庫より鈴木茂昭静岡地域統括長が参加。静岡の労働界や政界を代表する来賓に参加いただきました。
歓迎のあいさつを行った静岡ハイタクの新垣賀規議長は、まず静岡の状況について「8月にやっと運賃改定が公示され、これを追い風に働く仲間の賃金をさらに改善し、より魅力ある職場にしたい」報告。そして「明日の第81回定期大会においては全国の仲間の皆さんの賃金と労働条件の向上に向け、またハイタク産業を脅かすライドシェア解禁阻止に向け、さらに団結を深める大会となることを心より期待します」と語りました。
本部の溝上泰央中央執行委員長は大会開催に向けた静岡の仲間の尽力に深く感謝。静岡ハイタクでは西尾喜久夫事務局長が司会を務め、最後に木村仁志副議長が閉会の言葉を述べました。
全国からの参加者を歓迎し、あいさつする新垣議長



【雇用・労働条件改善の取り組み】
(1)労働条件の改善について積極的に交渉。運賃改定が実施された地域では、増収分を適切に労働者に配分するよう求め、労働分配率を改悪しようとする事業
者側の攻撃を跳ね返す。分配率を協議する場合も、改定後の実績を検証し、春闘で交渉することが必要。
(2)一時金を春闘時に年間協定している職場は、確実な支給をチェックする。年末一時金を交渉する職場では、昨年や今夏の一時金を超える支給をめざす。
(3)来年4月1日からの改善基準告示の改正実施、時間外労働の上限規制適用に対応し、全てのハイタク職場で、法令違反となる働き方を改める。同時に、賃金の減少を招かないための対策を要求する。あわせて、若い世代や、女性、育児や介護中の人にとっても魅力的な労働環境を目指し、短時間勤務や変則的な勤務シフトなど、柔軟な働き方の検討を求める。
(4)職場施設の改善を要求する。女性が働きやすいよう、更衣室やトイレ、休憩室を改善することや、老朽化した設備を改善することも重要。
(5)健康診断の充実や福利厚生の拡充、会社負担による脳MRI検診や睡眠時無呼吸症候群の検査の実施を求める。
(6)カスタマーハラスメントの抑止対策と乗務員へのケアを求める。
(7)全ての職場と地域で最低賃金を厳守させる。
また、定年や雇用上限の延長、同一労働・同一賃金、年次有給休暇の確実な取得、必要な感染症対策の継続等を要求し、労働協約の改定や締結に取り組む。

【政策課題への取り組み】
ライドシェア合法化阻止を最優先とする▽賃金改善が不十分な場合、さらなる運賃改定を求める▽二種免許の取得費用や、採用経費の公的支援を求める▽地域の交通を守るための乗合やデマンド、定額制などへの取り組みを求める。

【闘いの進め方】
要求は遅くとも11月中旬までに提出し、12月上旬には解決するよう積極的に団体交渉を行う。妥結状況等については、全自交労連に報告を。


最優秀賞は「 いしずえ」「 友報」



全自交労連第81回定期大会にあわせ、第51回機関紙コンクールが開催されました。全国の加盟単組や地連地本より、26紙の応募があり、最優秀賞には日交労本部(東京地連)の「いしずえ」と、神奈川都市交通労組(神奈川地連)の「友報」が選ばれました。両単組の教宣担当者に溝上泰央中央執行委員長が表彰状と記念品を授与しました。今年は初めて電子版の応募もありました。受賞作品は、佐藤晴之・元情報労連中央本部広報部長(元日本ジャーナリスト協会副理事長)の厳正な審査により決定しています。

☆最優秀賞(2紙)
「いしずえ」 東京・日交労働組合本部
「友 報」 神奈川・神奈川都市交通労働組合
☆特別賞(3紙)
「全自交東京」 全自交東京地方連合会
「京自労報」 東京・京王自動車労働組合本部
「千 住」 東京・日交労働組合千住支部
☆優秀賞(3紙)
「全自交関西」 全自交関西地方連合会
「いたばしの風」 東京・日交労働組合板橋支部
「中 央」 東京・日交労働組合中央支部
☆佳作(9紙)
「つばめ」 神奈川・国際自動車横浜労働組合
「前 進」 東京・大和自動車交通労働組合本部
「U-LINK」 東京・東洋交通労働組合
「みたか」 東京・日交労働組合三鷹支部
「ぎんざ」 東京・日交労働組合銀座支部
「おおみや」 埼玉・日交労働組合大宮支部
「帝労ニュース」 東京・帝都自動車交通労働組合本部
「やくしん」 東京・大日本労働組合
「躍 進」 東京・東洋交通労働組合
☆敢闘賞(5紙)
「赤羽G.com」 東京・日交労働組合赤羽支部
「全自交関西電子版」 全自交関西地方連合会
「全相労ニュース」 大阪・全相互タクシー労働組合
「羅針盤」 東京・日交労働組合八潮支部
「あかさか」 東京・日交労働組合赤坂支部
☆努力賞(4紙)
「労報 火打ち石」 大阪・大阪トンボ交通労働組合
「素敵な選タクシー」 大阪・全自交朝日自動車労働組合
「友和ニュース」 大阪・ナショナルタクシー労働組合
「全コン労」 東京・全コンドル労働組合


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