全国自動車交通労働組合連合会はハイタク産業に従事する労働者で構成する労働組合の連合体です。本ホームページは、どなたでも自由に全てご覧いただけます。


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労働組合の真価が問われる年 適正な価格・適正な対価の実現

新年明けましておめでとうございます。全国自動車交通労働組合連合会、中央執行委員長の溝上泰央です。
全国の組合員の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお慶びを申し上げます。また日頃、全自交労連の運動・諸活動に対し、御理解・御協力を賜っていることに、心より感謝を申し上げます。
旧年中は、新型コロナウイルスの第7派、8派による感染に加え、数々の自然災害が日本列島を襲っています。被災地の一日も早い復旧・復興に向けて出来る限りの取り組みを行っていく所存であります。
世界に目を向ければ、ロシアによるウクライナ侵攻は、今もなお、多くの犠牲者を出しながら継続されています。人類史上、唯一原子爆弾を投下された我々日本は、「核兵器廃絶」と「世界恒久平和の実現」を訴え続けなければなりません。ハイタク産業は平和産業であり、平和無くして、我々の職場も守れません。
岸田政権は、就任当初に掲げていた格差是正・分配重視の路線をすっかり忘れ去り、物価高・円安、そして新型コロナウイルスの感染対策にも対応出来ていません。そんな中で、国民の6割が反対した安倍元首相の国葬だけは強行しました。約3年間にわたるコロナ禍は、規制緩和以降、厳しい生活を余儀なくされてきたハイタク労働者をよりいっそう窮地に追い込んでいます。われわれの生活を良くするためには政治の力が欠かせません。自民党の嘘やごまかしに満ちたデタラメな政治をこれ以上続けさせるわけにはいきません。
昨年7月の第二十六回参議院選挙では、皆様に最大限のご協力を頂き、逆風の中でありましたが、我々の推薦した「鬼木まこと」さんと「辻元清美」さんを当選させることが出来ました。そして、一刻も早く政権交代を実現する足がかりのためにも、本年4月の統一地方選挙には全力で取り組まなければなりません。特に、全自交労連唯一の組織内議員である、青森の「山名文世」八戸市議が改選を迎えます。八戸市在住の親戚縁者にみんなで声を掛け、働くものが安心して暮らせる社会を取り戻しましょう。

全国では、自主管理など、都市部では考えられないような状況の中で、雇用を守り、組織を守り、仲間を守る努力を続けています。厳しい中でも、昨年15年振りに実現できた東京特別区・武三地区の運賃改定をはじめ、全国で運賃改定のムーブメントが起きています。大阪では、5000円超5割引きの悪しき安売りも運賃改定を機に是正される兆しも見えています。また、国土交通省もわれわれの厳しさや社会インフラとしての重要性に真摯に向き合って頂き、改定の趣旨として「更なるサービスの向上やタクシー乗務員の労働環境の改善を図り、公共交通としてのタクシーを維持していくためには、運賃改定が必要」としています。
適正価格・適正対価を実現するためにも、労働組合の真価が問われます。しっかりとした労使協議と、働く仲間に対する更なるサービス向上への啓蒙が、利用者に理解される根幹になると考えます。
全自交労連は、ハイタク産業の主力産別として、新しい時代に立ち向かい、公共交通を担う労働者にふさわしい賃金・労働条件を実現出来るよう、全国のハイタク労働者の先頭に立って運動を展開していきます。
本年も、全自交労連に結集する組合員の皆様の無事故・無違反と、ご健勝・ご多幸を祈念いたしまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。
明るい未来に向けて、ともに頑張りましょう。



運賃改定と賃上げで明るい年に

2023年を迎えるに当たり、全自交労連の溝上泰央中央執行委員長が、立憲民主党の近藤昭一衆議院議員と対談を行いました。近藤議員はタクシー政策議員連盟の会長としてハイタクの賃金・労働条件向上にご尽力頂いています。対談では松永次央書記長が司会を務めました。全自交労連は、今年こそコロナ禍で苦しみ続けたハイタク労働者が報われる年となるように運動を強化していきます。

溝上委員長 
先日、近藤会長にご協力いただき、タクシー運賃改定を賃金・労働条件の向上へと確実に反映させるよう、交運労協と交運労協議員懇談会で国土交通省に要請しました。
コロナ禍で歩合給主体のハイタク労働者は極端な賃金低下にさらされ、多くの人が離職しました。人手不足を解消するためにも賃金・労働条件の向上を最優先課題として全国で運賃改定が取り組まれています。

近藤会長 
私も街頭演説をするので、タクシーベイに顔なじみの運転手さんが何人かいらっしゃいます。最近、乗り場に車がいないので「どうしたんですか」と聞くと「人がやめて戻ってこない」というお話を聞きました。

溝上委員長 
今年こそ賃金を上げて、この業界に人が戻ってくる明るい年にしたいと思います。11月14日には、東京都特別区・武三地区が運賃改定しましたが、改定後数日間の感触ではお客さんから「高い」という声も少なく、一定の理解を得られているように感じます。
しかし、恥ずかしい話ですが、運賃改定に伴って賃下げを図る事業者がいます。東京ですらその動きがあり、地方はさらに賃下げの横行が懸念されます。運賃が上がっても労働分配率を下げるなら意味がありません。国交省には、改定後の賃下げについて事後検証と指導を求めていますが、政治の面からも対応をお願いしたいと思いす。
近藤会長(右)と、われらが溝上委員長の2人で
熱い思いを交わし合いました

近藤会長 
確かに事業者さんも苦しいのでしょうが、働く人の権利と生活を守らずに産業が発展していくことはありえません。当然、運賃を上げるなら、働く人に還元されなければならないと思います。
それは政治の役割でもあります。個人が豊かにならないと経済全体が回りません。根本的には分配があって初めて成長があると考えます。

対談は昨年末、議員会館内の近藤事務所で
実施されました(左は司会を務めた松永書記長)。
書籍にあふれた事務所からは近藤議員の
仕事ぶりが伺えます
労働者も企業も守る

溝上委員長 
この業界は、現実的には最低賃金違反も多く、労働条件を改善しなければ人は集まりません。このままでは地域によって「交通崩壊」が生じ、移動する権利が守られないことになります。

近藤会長 
経済競争による弱肉強食の側面は、政治が規制しなければなりません。生活がきちんと守られるだけの最低賃金を確保することもそうです。今はまだまだ低すぎます。しかし、企業の努力のみで賃金を上げることができない構造があるとしたら、社会全体の仕組みの中で公共交通を維持する政策が必要だと思います。
税制の課題もあります。法人税を下げた一方で、消費税だけを上げてきたことはバランスが悪く、全体的な視点で考え、個人も法人も守るといった政策が必要です。

溝上委員長 
運賃改定による確実な賃金・労働条件向上を実現するため、ハイタクフォーラムとして今年3月に総決起集会を開く予定です。請願署名を先生方に託しますので、国会へとその声を届けてください。労働環境を改善し、地域の移動を守っていきたいという私たちの熱意を運動で表していきたいと思っております。

生きることを支え続ける

松永書記長 
生活福祉資金貸付制度の返済が、早ければ1月から始まります。ハイタク労働者もこの貸付を利用してきましたが、コロナ禍での賃金減少の影響は大きく、まだ返済できる体力が戻っていません。

近藤会長 
私たち立憲民主党の在り方は「生きることを支え続ける政治」だと思います。普通に生きていくことが普通にできる社会を目指しています。新型コロナウィルスの感染拡大では、まさに社会全体が影響を受けました。借入をした方の責任ではなく、コロナの流行によって社会が受けた影響ですから、社会で支える必要があります。免除や返済時期を遅らせるなど政治が取り組むべき課題です。

溝上委員長 
きちっと働けて十分な収入が得られる状況になれば、返済することが可能になります。そういった社会をつくっていただきたい。コロナ禍で、ハイタク労働者は感染リスクにさらされながら仕事をしてきました。しかし、その待遇や賃金は社会の中で果たしている重要性とまったく釣り合っていません。

近藤会長 
ハイヤー・タクシーは、明らかにエッセンシャル(必要不可欠)なワーカー(労働者)です。きちんとした支援が必要だと本当に思います。コロナ禍では、救急車が足りない中で医療が必要な患者さんや、ワクチン・医療物資も運んでいただきました。
エッセンシャルワーカーへの支援については、例えば同じ病院で働いていても、アルバイトの方や汚れ物を洗濯する方には適用されなかったり、国の指針では適用されるはずの人が現場で適用されなかったりという相談も受けてきました。支援の対象になるべき方々をきちっとカバーできる政策が必要です。

松永書記長 
医療関係者に、「固定的な安定した賃金を」という話はありますが、私たちにはありません。ですからコロナ禍の春闘では「危険手当」を要求してきました。それだけの仕事をしてきたという自負はあります。

個人の懐が潤い、希望を生む社会へ

伊藤実中央執行委員長
タクシーは公共インフラだ

溝上委員長 

私たちはコロナで疲弊し、さらに物価高で非常に厳しい状況にあります。タクシーはドアツードアで、公共交通機関として唯一24時間365日をうたってきました。しかし乗務員不足によって車が動かせず、24時間対応ができない地域があります。地域間・事業者間で大きな格差が生じていることも深刻な課題です。
地域公共交通の縮小や廃線の話もありますが、住民の移動の権利を守らなくてはなりません。自治体や国の支援が必要です。地域の足を守る政治を行っていただきたい。

近藤会長 

ハイヤー・タクシーは公共のサービスであり、公共のインフラです。一部の人のためだけのサービスではありません。私の母も高齢になり、タクシーに非常に助けていただきました。

溝上委員長

この20年にわたる規制緩和と市場原理主義は行き詰っています。人口減少・少子高齢化の中で、車を運転できない高齢者のカバーなども含め、持続可能な移動手段を確保する政策が必要です。

近藤会長 

私はやはり「社会」が大事だと思います。1人では誰も生きてはいけません。だから皆で「社会」をつくり、その中で生きています。「社会」をどう良くしていくか。そのために一番大きな役割を果たすのが政治だと私は信じています。自分の行きたいところに行ける「移動」という権利を守らなくてはなりません。そのための方法を、政治が、
自治体が、国が、皆さんと考えていく必要があります。

今年は統一地方選挙!維新とは部分的な協力

近藤会長 

今年は統一自治体議員選挙があります。全ての人が移動や、子育て、教育などの基本的で公共的なサービスを平等に享受できる権利を守らなくてはなりません。皆さんと共に、地域をきちんと守る政治家を一緒につくって育てていただければと思っています。

溝上委員長
 
タクシー乗り場の創設ですとか、自治体議員に要請し、願いがかなっている所も多々あります。全力で後押しますので、ベテランも若手も立憲民主党として一つになって進んでいただきたい。

松永書記長 

立憲民主党と維新の会が、政策合意を結び、一部で協力することについては厳しい声も届いています。

近藤会長 

小選挙区制で与党と戦うためには協力も必要になります。政権交代への〝気分〞をもう一度高めるため、野党第一党である立憲民主党がリーダーシップを発揮していかなくてはなりません。以前は、国会対策委員同士でも対話ができず、自民党に対する国会闘争も難しかったのですが、国会運営はスムーズになりました。
ただ「なんで維新」というご意見も、よくわかります。だから合意した部分での協力です。相手側に理解を求め、こちらに近づいて来るようがんばるのみです。
近藤昭一衆議院議員 プロフィール
 立憲民主党、衆議院議員・愛知3区選出
(名古屋市昭和区、緑区、天白区)。
1958年生まれ、名古屋市出身。
上智大学卒業後、中日新聞社勤務を経て、1996年に衆議院議員初当選。以後9期連続当選中。
これまでに環境副大臣、立憲民主党副代表等を
歴任されました。
 現在は、交運労協政策推進議員懇談会の会長や、タクシー政策議員連盟の会長を務めるとともに、立憲フォーラム代表として反戦・平和・反核・原発ゼロなどの運動の中心的存在として力を発揮されており、2022年9月に発表された「立憲民主党 次の内閣」では、ネクスト環境大臣に選出されています。
乗り合いにも使える車を

溝上委員長
 
トヨタのタクシー専用車「ジャパンタクシー」は、評判は良いのですが、あのサイズでは乗合タクシーなどには使いづらく、お客さんも嫌だと思います。車体を伸ばしてキャプテンシートが4席置ける車があれば、タクシーの未来に色々な好影響があると思うのですが。運賃を上げ続ければ高い乗り物になりすぎるおそれがあり、特に地方では、乗合やデマンドのタクシーは検討すべき課題です。バスよりは小さく、通常のタクシー営業にも利用できて、高齢者も含めて4人が、ゆとりをもって乗車できる車が必要だと思います。メーカーにすれば採算は取れないかもしれませんが、新規開発ではなく、改造や発展型であればできるはずです。

近藤会長 

今は日本の会社でも、株主が強くなっていますから、株主がもうからない車を作ることを許さないのかもしれません。しかし企業には社会的責任もあります。

松永書記長 

以前、車いすの利用者の乗車拒否が問題になりましたが、「ジャパンタクシー」が車いすの乗降に向いていないことが問題の原因でした。お客さん目線の車両が必要です。


平和なくして仕事なし

溝上委員長
 
近藤会長は、反戦運動、平和運動に力を尽くしてこられました。全自交も同じ思いです。交通運輸産業に携わる労働者として「平和なくしてわれわれの仕事もありえない」ということを、私自身、様々な場所で表明してきました。ITF(国際運輸労連)のウクライナ連帯基金に対しても、組合員の皆さんから平和を求める思いが詰まった55万830円の寄付が寄せられ、交運労協を通じてカンパしました。

近藤会長 

私は先日、列国議会同盟(IPU)の総会でルワンダに行きました。ルワンダと言えば1994年、民族対立により80万人もの人が亡くなったとされる大虐殺が起きた国ですが、今は、民族融和が図られ、アフリカ第二位の経済成長を遂げています。現地では元気に手を振ってくる子どもたちの純粋さと笑顔がとても印象的でした。
全自交の皆さんが行ったウクライナへのカンパには、「平和でなければいけない」「早く戦争を終わらせなければいけない」という、大切なメッセージが込められています。これからも連携してがんばっていきたいと思います。


タクシー政策議連役員会

近藤会長が「働く人を支える社会をつくる」とあいさつ。その左隣には枝野幸男議員。

溝上中央執行委員長
立憲民主党や国民民主党が中心となるタクシー政策議員連盟(近藤昭一会長)は昨年12月8日に役員会を開催。タクシー業界の人材不足の深刻さや、賃金・労働条件向上の重要性が共有されました。
ハイタクフォーラムの溝上泰央代表幹事(全自交労連中央執行委員長)は、全タク連の川鍋一朗会長が東京の運賃改定後の好調をアピールしたことに対し「それは大都市部だけの話だ」と釘をさし、「地方は倒産・廃業が止まらず、高齢化と人手不足で国民の移動の権利が守られない状況がある。真面目な事業者とそこで働く労働者を守る政策を」と求めました。

本田書記次長
また全自交の本田有書記次長が、運賃改定後の賃下げと公定幅運賃を守らない事業者の問題を提起して対策を要求。さらに燃料高騰支援の継続と、生活福祉資金の返済免除・猶予を求めました。
国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は、東京の運賃改定について「15年間も運賃が据え置きで良かったのか。今後、もう少しちゃんと必要に応じて改定できるようにしたい」と述べました。
全タク連の坂本克己最高顧問は、連立与党入りが報じられた国民民主党に対し、議連の存続を要請しました。


関東運輸局に報告

過去には社名公表
「8%」は理由にならず

全自交本部の津田光太郎書記次長と東京地連の久我恒夫書記次長は、昨年12月8日に関東運輸局を訪問し、東京の運賃改定後の賃下げの実例を報告しました。
自動車交通部旅客二課は「指導を行うか否かは事業者団体のフォローアップ調査を見て判断するが、15年前の東京の改定では、賃率(労働分配率)を引き下げた事業者に対して、指導を行い、従わなかったので社名を公表した実例がある」と回答。しかしどれだけ不利益な変更でも、労使の合意がある場合、指導対象にならないとの判断も示しました。
事業者が賃下げの根拠とする「改定率14%中の8%が労働環境改善」という文言について「運賃改定率の算定根拠に過ぎない」とし、賃金を変更する根拠にはならないとの見解も示しました。

賃金支給額が増えても賃率改悪なら指導対象


憲法を変えるより活かす

昨年11月12日から14日にかけ、愛媛県・松山市において、第59回護憲大会が開催されました。3年ぶりに従来通りの開催が実現し、開会総会には650人が参加。分科会・ひろばやフィールドワークを通じて、全国各地の参加者が改憲発議阻止・軍拡反対の取り組みを強めることをを確認しあいました。
全自交労連本部から野尻雅人書記次長が参加したほか、現地の愛媛県平和運動センター副議長として、渡邉典子・全自交愛媛地本書記次長が活躍。
13日には分科会「ジェンダー平等」で座長を務め、最終日には閉会総会で開催地を代表してあいさつ。「坊ちゃん団子の愛媛から、笹団子の新潟へ!」と、来年開催地の新潟にバトンをつないでいます。
閉会総会で、開催県を代表して
あいさつする全自交愛媛地本の渡邊さん



物価高騰が続くなか、全自交埼玉地連のツルヤ交通労働組合(矢作重委員長)が、秋季年末闘争で物価上昇支援金を勝ち取りました。全乗務員を対象に1人3万円が支給されます。これを弾みに秋闘や2023春闘で賃上げ、インフレ手当を獲得しましょう。


個人の懐が潤い、希望を生む社会へ

全自交東京地連(見須一隆委員長)は11月24・29の両日に組織拡大の宣伝行動を実施しました。
2日間合計で12人の役員が、都内のタクシー乗り場18カ所をまわりビラ400枚を配布。全自交への結集を呼び掛けました。


会田礼子さん(県南ユニオン)

全自交埼玉地連・県南ユニオンの組合員、会田礼子さんが、このほど「オレオレ詐欺」を未然に防ぎ、埼玉県警大宮西警察署長から表彰されました。以下に会田さんから寄せられた体験談を掲載します。

◆よく聴く「オレオレ詐欺被害」に遭う高齢者のニュースが話題になる度に、対岸の火事「遠い場所での出来事」としか思っていなかった。
が、まさかこんな身近にあるとは。11月12日、無線配車で乗車された御婦人。「大宮駅東口まで」との事で向かった。幸か不幸か?土曜日の午後で道が混んでいた。「混んでますね」と何気なく声をかけた私に、それまで無言で考えこんでいる様子の御婦人から「私オレオレ詐欺に遭いそうなの」とビックリ仰天な言葉。詳しく経緯を聞くと、東京の某有名病院のドクターを名乗る男から家の電話に連絡があり、「息子さんが喉の病気にかかっている。ご家族には同様の病人はいるか?遺伝性の疑いがある」などなど。
高齢の母親の不安感を煽るように被せてきたと言う。有名病院のドクターからの直々の電話、息子が病気でパニックになり信用してしまい、聞かれるがままに個人情報をしゃべってしまったと言う。その後息子を名乗る男から電話があり、「喉の病気だから声が変わっている。振込をする為の会社のお金300万が入っているカバンとスマホを盗まれた」と、誰が聞いてもそれとわかる詐欺の常套句の羅列である。
ここまで話を聞き、「はて?今どきの大病院のドクターが直接、患者の家族に電話などするだろうか?百歩譲って遺伝性の疾病なら精検するだろう?300万の大金を盗まれたなら病院よりも警察への被害届が先だろう。検査機関も金融機関の窓口も休みの土曜日の午後になんと都合が良すぎるのではないか!。絶対に怪しい‼」。
と思っていたら「こう言う事初めてじゃないのよ。前回は被害にあわなかったから警察にも相談していない」そうだ。息子を名乗る男から「お兄ちゃんには言わないでね」と口止めされたらしい。
この一言でターゲットにされているものと確信をした。
駅で待ち合わせをしてたの?と聞くと、「家に取りに来る」との事だった。個人宅は特定されていると考え、このまま家に帰っては命の危険もありうると思い、警察への相談を勧め、ATMへは行かずに警察に送りとどけました。
被害を未然に防ぎ、表彰された会田さん(左)



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