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台数・運賃の適正化で大幅賃上げ実現

全自交労連は1月24〜25日、静岡県伊東市で第94回中央委員会を開き、「産業の未来を拓こう!台数・運賃の適正化で大幅賃上げ実現!」「安全破壊し無権利労働を拡大する白タク合法化絶対阻止!」のスローガンを掲げ、月額1万円の賃上げ要求と一時金・退職金大幅改善を柱に、生活安定型賃金の確立をめざし、公共交通にふさわしい賃金水準の獲得のために、全ての職場から立ち上がることを誓い合いました。



第94回中央委員会には、役員31名中27名、中央委員55名中49名が出席し、傍聴者を含め総勢130名が参加し、2日間の日程で行いました。
服部達彦副中央執行委員長の開会挨拶で始まり、議長団には鈴木昌吾中央委(中部地連)と藤森由朗中央委(関東地連)の両名を選出。書記には佐藤秀幸(関東地連)を選出しました。鈴木和彦副中央執行委員長が資格審査委員長と議事運営委員長を務め、出席状況を報告し、成立を確認しました。
主催者代表挨拶に立った伊藤実中央執行委員長は、ライドシェア導入推進勢力を厳しく批判し、3月7日の中央行動への参加を呼びかけるとともに、特定地域指定基準の見直しを実現するために闘っている青森裁判の支援を訴えました。
続いて、青森裁判の原告代理人である横山慶一弁護士が、青森裁判の意義、「人口30万人」基準の不合理性、今後の見通しについて講演し、「タクシーの安全とサービス水準の向上には運転者の労働条件改善が必要」と参加者に訴えました。
休憩をはさんで国交省自動車局旅客課の鶴田浩久課長が「タクシーの現状と可能性」と題して講演しました。そして6名の仲間が質問に立ち活発なやりとりが行われました。その後、松永次央書記長が2017春闘方針案を提案。
「台数・運賃の適正化で大幅賃上げ実現!」のスローガンの下、全ての職場から要求を掲げて積極的交渉を展開することを訴えるとともに、月額1万円の賃金要求と一時金・退職金の大幅改善を掲げて闘う方針を提案しました。また、春闘スケジュールとして、2月28日までに要求書を提出し、回答指定日を3月23日として有額回答の引出に全力をあげることを提案しました。
第2日目は春闘方針の補足提案を行った後、自教部会を代表し、愛自学労の青山治彦執行委員長が、1月22日に開かれた2017自教労組全国交流集会を報告。自教部会として、賃上げ要求を11000円、年間一時金要求を100万円とする事が報告されました。
その後、春闘方針案の質疑討論を経て2017春闘方針案を満場の拍手で採択しました。続いて、2017春闘アピールの提案を神奈川地連の河口健中央委員が行い、「労働条件を抜本的に改善し、若年者や女性にとって魅力ある産業に再生する」とのアピールを満場の拍手で採択しました。
最後に北坂隆生副中央執行委員長の閉会挨拶の後、元気に団結ガンバロウを三唱して成功裏に終えました。


挨拶する伊藤実中央執行委員長
ライドシェア阻止に向けた勝負の年
中央行動で怒りの声を国会へ


今年はライドシェア阻止に向けた勝負の年だと思っています。昨年夏、国交省は規制改革会議の意見に対してライドシェアは安全面・利用者保護の観点から対応不可としました。しかし、その後もライドシェア導入推進勢力は執拗に働きかけています。
また、米国新大統領のトランプ氏の経済政策戦略メンバーにウーバーのCEOが指名されたということもあり、米国からの圧力が強まることも予想されます。東アジアの国々では対ウーバー戦略を国レベルで行い排除していることから、日本でもしっかり対応していけば阻止することは可能だと考えています。
そのために昨年立ち上げた市民会議を通してウーバーなどの諸々の問題を訴えていきたいと思っています。こうした運動で「ライドシェアでもいいんじゃない」という世論の風を変えていきたいと思います。3月7日の中央行動では皆さんの怒りの声を直接国会に届けるためにも数多くの請願署名をお願いします。
改正タクシー特措法施行から3年となりますが、期待した成果を挙げられていません。一番の要因は規制改革会議の介入で、本来対策が必要な多くの地域で対象外扱いとなったことであると思います。
そうした不条理に対して青森の仲間が国を訴える裁判を闘っています。最終弁論も終わり2月に判決が出ることになっています。裁判所がどういう判断をするかわかりませんが、この間全国の思いを代表して闘ってくれた青森地連の仲間には敬意を表するところでありますし、今回の闘いが青森地連の今後の運動の大きな力になるだろうと思います。何れにしても我々は指定基準の見直しを含めて闘いを進めていきたいと思っています。ともに頑張りましょう。


地震問題は深刻不安の奴隷にするな

第一日目に国土交通省自動車局旅客課の鶴田浩久課長が「タクシーの現状と可能性」と題して講演し、タクシーの需要サイドと供給サイドの革新についての貴重な内容を提起しました。
鶴田浩久課長は、タクシーの現状について①各輸送モードを比較しても輸送量がこの10年間でタクシーだけが30%も減少していること、②タクシー適正化・活性化法の施行で減車が進んだ結果、2010年以降は日車営収が上昇していること、が報告されました。また、下限割れ事業者による運賃変更命令差止訴訟の判決の趣旨を踏まえ、下限割れ事業者の存在する地域で公定幅運賃の下限を見直した内容について解説しました。
さらに訪日外国人が2016年は2404万人となり、交通消費額ベースで人口増加と同等の効果をもたらすことを説明しました。
新経済連盟が提案するライドシェアに対する石井国土交通大臣の国会答弁を紹介し、「運行管理や車両管理を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保と利用者の保護の観点から問題あり」の立場を明らかにしていることを紹介するとともに海外では多くの国が禁止措置を取っている事例を示しました。
まとめとして「これからは3K2乗」として需要サイドの①交通困難者、②観光客、③交通難民への対応と供給サイドの①効率化、②掛け持ち、③高度技術への対応を示し、「強みを活かしてバス・タクシーの出番のときとしよう」と呼びかけました。
講演し、質問に答える鶴田旅客課長

<<6名の仲間が直面する課題を質問>>


大阪地連・権藤さん
大阪地連・権藤さん

大阪の公定幅運賃で下限割れの法人が数社、個人タクシーは20数人いますが、この下限割れについては変更命令が出せるということで昨年11月に指導があったようですけれども2回目がない。複数回の指導をして従わなければ最終的には事業の取り消しもできるという事が今でもいきていると聞いている。公定幅見直しにも時間がかかったがこれから指導などにもまた時間がかかるのか。新公定幅が決まったのなら早く指導をしてもらいたい。

鶴田課長・答弁

従来の公定幅について差止め裁判が起きて変更命令をかけてはいけないという判決が確定したというのがこれまでの経緯ですが、今回は裁判所の指摘も踏まえての見直しですので我々としてはこれで命令をかけて従来のように違法だと言われることはないと認識をしています。したがってできるだけ速やかにというのも同じ考え方ですが、再度裁判を起こされて負けるわけにはいかないので法律の専門家にも、命令をかける前提として今下限割れ申請が出てきてないことから、一度全部公定幅運賃を申請して貰う必要があるんじゃないかというような検討もしています。法律をつぶさに読んでいくと認可運賃から公定幅に移行する時には従来の認可運賃を届け出運賃と見なすという規定があるので、実際届出を個別にしていただかなくても届出がされたというふうに法律上なっています。運賃改定をやったところは皆さん新しく届出をしてもらっていますが今回の場合は運賃改定をせずに下限だけを見直すというのは初めてだったわけで、万全に手続きは進めていきたいと思っています。なるべく早くやっていきます。

青森地連・江良さん
青森地連・江良さん

7地域で公定幅が改定されました。
10円から40円の幅で改定されているがなぜ青森と京都だけが40円なのか説明願いたい。それと青森は40円の公定幅運賃に変更されてからさらに距離短縮運賃が実行されました。なぜこういうふうになったんでしょうか。経営者側も我々にも誰にも意見を聞いてない。そして誰も望んでなかった距離短縮運賃がなぜ出来たのか。そしてさっき課長が東京は需要を拡大するためだと言ったけれど、青森も需要拡大のための距離短縮であったのかどうか。もし需要が拡大しない時には止めるのかどうなのか。

鶴田課長・答弁

公定幅40円は計算の結果ですが、行政の裁量だけで好きなように設定できるわけではなくて、元々上限は原価対象事業者の平均原価と適正利潤を乗せたもので、それに今度は下限はばらつきがある事業者のコストの項目ごとに一番低いコストでやっている事業者の数字をピックアップしてそれの合算したものがベースになっています。そうはいってもどんなコストでも低ければ低い方がいいというものではないので、項目によって一番低い事業者のではなく平均を取るということをしています。低い項目はガス代とか車両費とか安く調達している事業者がいればその値を取り、逆に低いコストを採用しないのはドライバーの人件費で全体の原価対象事業者の平均を取るというやり方をしています。
同じ人件費でも役員の人件費などは安い所を取っています。そういう計算をした結果が下限運賃で、一連の判決を受けて見直した下限運賃ですが、従来は原価対象事業者の数字だけを使っていました。判決で従来個別認可で合法に営業していたのをいきなり入れないというのは行政の裁量権の逸脱だという指摘なので、下限割れ事業者のコストも項目ごとに洗い出して、その中でドライバーの人件費なども安い事業者が多いですがそれは採用しないで燃料代とかいうのは安い所を採用して、各地域で各計算による結果が10円から40円の引き下げになりました。
次に、40円の引き下げで距離短縮をしているのはなぜかという事ですが、東京と青森は違うということは私もそう思います。距離短縮を全国で一律に進めるべきだということを申し上げるものではありません。各地域の実情で判断をしていただきたいということですが、その上で総収入が下がることがあったら止めるのかというのも、実際にどういう運賃でやっていくのかは各地域で事業者の申請があってそれで考えていくことだと思います。
間違いなく言えることは原価を賄って適正利潤を確保していくということがないと持続できない。
その制度とサービスが無くなればみんな困るわけで、持続可能なものにしていくというのは大前提です。

北海道地連・鈴木さん
北海道地連・鈴木さん

実働率が26年から27年に右肩上がりになってるようですが、実働実車率というのが特定地域指定要件にあるんですが、実働率の出し方の物差しが示されていません。
白タク・ライドシェアの問題で政府の委員の方にいわゆる白タクのことをきちんと伝えて欲しい。

鶴田課長・答弁

実働したかどうかというのは、1日のうちで何時間稼働したかが分かると色んな対策も一番考えやすいと思うんですけど、なかなかそれを全車両に対して報告を取り入れるというのは間違いなく難しいところもあって、朝出庫したかどうかということになっています。
デジタコの普及などできめ細かく見ていけるきっかけを作っていけるといいなという我々の思いは持っています。
ライドシェアで新経連が白タクとは違うんだという主張をしていますが、正直言って非常に無理な主張ではないかと思います。ライドシェアの中にあたかも良いライドシェアと悪いライドシェアがあるみたいな主張をしていて、白タクというのは悪いライドシェアで自分たちが言っているのは良いライドシェアだということが言いたいのかなと想像します。
そもそも良いも悪いもないというのが我々が一貫して主張しているところですし、そこを議論のすり替えにならないように今後の主張の中でもしていく事が大事だと思っています。

長野地連・中村さん
長野地連・中村さん

長野でもライドシェアの動きがありましたが、各市町村はタクシーが公共交通だという認識が希薄で違法であるという認識がされていない。是非支局などを通じて各市町村行政へ公共交通会議に労働組合が参加できるようにご指導願いたい。それと、交通空白地の定義や基準があれば教えていただきたい。


鶴田課長・答弁

従来からの役割分担でバスが担ってきた所がだんだん人口が減って密度が下がってくる地域ではバスでは大きすぎるということが出てきています。これに応える形が乗り合いタクシーですし、さらに密度が下がればデマンドなどになってくると思います。
タクシーの一つの生きていく道ですし、社会的に大事だということをそういう形でも示していただいて、全体として、ライドシェアなんかそもそも必要ないというふうになって欲しいと思います。
支局を通じて公共交通会議に組合の方も参加して頂けるように機会あるごとに言っていきたいと思います。それと交通空白の定義で富山県氷見市の会議でリクルートから出た最寄りのバス停から500メートル以上は交通空白地という意見ですが、恐らくたたき台としてということだと思います。交通空白の定義に関しては数字で言えるような基準はありません。むしろ一律に数字で決めてしまうべきでもないと思っています。地域ごとで一見交通空白に見えても事業者の乗り合いタクシー提案などで交通空白では無くなることもあると思います。
いちばん大事なのはみんなが話し合って納得してやっていくことだと思っています。

東京地連・直井さん
東京地連・直井さん

1月30日からスタートする初乗り距離短縮でフォローアップすると言われ、業界紙などでは3年のスパンの中で事後検証するような報道もされています。事後検証となるとすべての営業が現行の運賃と新運賃と対比してプラスになるかマイナスになるかが基本になると思うんですが。ただ今営業の主体が駅のタクシー乗り場等でやっている方々の平均ボーダーラインが1450円より少ないと思うんです。
そういう方々はやはり今までの営業形態では運送収入が目減りすると思います。そうなると事後検証というのが厳密にどう出るかわからないと思いますが、国交省は事後検証に関してどのような方法で何を比較してというような考えをお聞きしたい。あと、その結果、かなり営収が低下するようなことになればその後どう対処するのかお聞きしたい。

鶴田課長・答弁

今回の設定をする際に過去の900万回以上の実車のデータを東タク協の協力を得て出していただいて、これはどれぐらいの距離のお客さんがどれぐらいいるかということをデータベースに落とし込んで、色んな組み替えの仕方をした時に運賃が減らないようにというのを前提に使わせていただいた。いずれにしても事実が出た暁にはそれを元に検討したいと思います。

新潟地連・海藤さん
新潟地連・海藤さん

新潟交通圏も特定地域に指定されたんですが公正取引委員会から何点か示された中で私が気にかかる点は、減車および営業制限をして、お客さんが車を拾えなくなった場合は独占禁止法に抵触することもあるので注意せよという項目がある事です。
私たちは、これまで協議会の場で8回も9回も議論を重ねてようやく合意した内容であるにもかかわらず、公正取引委員会がこう言うことを主張することについて理解できません。
我々として、それをどういうふうに受け止めれば良いのか。また、国交省はこれに対してどう考えているのか聞かせて欲しい。

鶴田課長・答弁

独占禁止法の解釈そのものについては、国土交通省として申し上げる立場ではないのですが、適正需給を確立するために、減車に向けて非常に困難な調整をしていただいた訳ですが、タクシーの利用者が車を拾えなくなると独占禁止法に抵触する可能性があるというのは、一定の車両は確保して利用者利便を低下させないということだと思っています。
ただ一方で減車の話は進めないと低下している日車営収の改善の観点からも減車は必要なのだということで理解をしています。
しかし、そのせいでタクシーの利用者から見て「不便になったね」ということでは支持も得られにくいことからいろんな立場で力を合わせて行くことが必要なのではないかと思います。



春闘方針提案する松永書記長
松永書記長が、第一日目に「産業の未来を拓こう!、台数・運賃の適正化で大幅賃上げ実現」「安全を破壊し無権利労働を拡大する白タク合法化阻止」のスローガンの下、他産業との格差是正、公共交通にふさわしい賃金水準確立等を目指し、月額1万円の賃上げ要求と一時金・退職金の大幅改善を柱とする2017春闘方針を提案しました。

大阪地連・権藤さん
大阪地連・権藤さん

白タク合法化阻止に向けた取り組みというところで、昨年、大阪で市民会議を開催しました。その中でタクシー協会の経営委員長が「リーフレットを全車両に設置するというのはいい案で明日からでもお客さんに渡してわかってもらいたい、または乗務員さんもこれでわかる」と発言があり、全タク連からリーフレットが来たらすぐにでも始めたいと言っていたが、その後全くそうした動きがない。どうなっているのか。

松永書記長・答弁
運転者向けにライドシェアのリーフレットを作って全自交分1万2000部を皆さんに配りました。その後、それを全タク連に全国のタクシー利用者にもわかりやすく車両に積んで知ってもらうための要請に行ったら、事業者団体から色々注文が付きました。そして事業者からの案をリーフレットに反映させて出来上がりました。それが昨年12月の全タク連正副会長会議の中で賛成を得て確認されました。
しかしその後、全く話しは止まったままです。残念ながら全タク連の今の位置づけは私たち市民会議、労働組合側からプレゼントしていただけるという考え方です。だから単純に今の全タク連の登録車両数に10部づつリーフレットを入れただけでも100万部、200万部になります。
100万部作ると300万円かかります。印刷で。それをプレゼントしろなんてことを言われて私たちはハイと言えないので話が止まっています。事業者側にはお金がかかるんだということを年明けに私の方から言いましたら、「最初からそんなことを聞いてないから全タク連という立場では受け入れられない。この話はゼロベースに戻したい」という回答がありました。もう一度一から交渉したいということらしいです。皆さんにお願いは地元に帰ったら事業者側に経緯を言って全タク連に声を出して欲しいと思います。


愛知県自動車学校労組
青山治彦委員長
自教の2017春闘方針
愛知県自動車学校労組 青山治彦委員長

全国自教労組交流会が1月22日に行われ、自教の仲間、秋田・愛知・広島の15名で交流会を開催しました。2017春闘ではまず賃上げ要求については自教は1万1000円、一時金は100万円ということです。自教は1万1000円というのは2017春闘労働実態調査の結果、11月度の賃金の加給平均が25万円でした。それに4%程度の定昇と賃金改善分を計算すると1万円になるわけです。それと全労働者との賃金格差是正分2%に当たる1000円を加算しました。一時金についてアンケートの結果、昨年半期での最高支給額が半期48万円。その最高額の獲得を目標に年間100万円としました。
主な問題として定年後再雇用についての話がありました。殆どの自教は60歳定年ですが定年後継続雇用で賃金カットが2割から6割という報告もありました。この6割というのは私が勤めている名古屋自動車学校のことです。
昨年9月14日に名古屋地裁に提訴しました。
経営者が独断的な経営者で組合結成当時からいろんな問題で労使紛争を続けてきています。2009年も組合に対する不当労働行為、団交拒否やパワハラなどで名古屋地裁へ提訴して組合が全面勝利しました。高裁で和解ということで解決しましたが、それでも懲りずに今回も私に対する定年後再雇用者の賃金差別ということをしてきたわけです。4年前に定年を迎えてから再雇用という形で同じ職場で同じ職種で同じ勤務体系で勤めています。
ところが嘱託になったというだけで、身分が変わったということだけで基本給や諸手当も半減以下または廃止だということで総支給額も5割から6割の減額となっています。
会社に申し入れても聞く耳を持たず労働局なんかにも相談してきました。しかし労働局は賃金については労使で話をして下さいという返事で親身に相談に乗ってくれませんでした。そうした中、昨年5月の長澤運輸事件があり労働契約法20条で自分も該当するんじゃないかということで今回の訴訟に及んだ次第です。
第1回弁論が11月にありましたが会社側は出てきませんでした。2回目は今月30日にあるわけですが、東京共同法律事務所の宮里弁護士にも相談したところ、裁判官の判断はいろいろあると思われるが、使用者も労働者も「当たり前」という風潮があるのは事実だが、一つ一つの積み重ねが大事だから諦めてはだめだよというアドバイスをいただきました。自教交流会でも出てましたが、使用者は20条の関係もあって定年前に賃金カットをしてきて定年後も続けていくんじゃないかという意見も出されました。不利益変更については労働組合が断固として阻止しなければいけないというアドバイスもいただきました。今後も頑張っていきますので皆さんのご支援よろしくお願いします。


特定地域指定の「人口30万人」基準は不合理 青森裁判を担当する横山慶一弁護士が講演

第94回中央委員会の第一日目に青森地連の仲間が原告となって闘っている国賠訴訟を担当している横山慶一弁護士が「青森裁判の意義と見通し」と題して講演しました。
横山弁護士は最初に、「青森裁判は、原告ら個々の損害賠償を求めているが、それは個人の救済が目的ではなくて、その原因になっている特定地域の指定基準の一つになっている人口30万人基準が不合理であることを裁判所に認めさせ、人口30万人に満たないことにより特定地域に指定されなかったすべての地域の救済に繋げようとするものだ」と青森裁判の意義について語りました。

青森裁判の意義を語る横山弁護士
そして改正タクシー特措法の制定趣旨・目的は、供給過剰を解消してタクシーの安全性とサービス水準の向上を進めるための制度を構築し、需要の活性化を図ることにあることを明らかにするとともに「しかし、その背景には安全性とサービス水準の向上を支える運転者の労働条件の改善が必要である」と強調しました。にもかかわらず、特定地域の指定基準の一つである「人口30万人」基準は、供給過剰状態の解消とは関連性がなく、不合理な基準であることを訴えました。また、国が流し営業の地域に配慮する必要があり、「概ね30万人以上の都市」で流し営業が成り立つとされていることや個人タクシーの許可を行う地域も「概ね30万人以上の都市」を条件としていること等を主張していることに対し、指定基準の策定過程で規制改革会議が意見書で「半数を有意に下回る割合とすべき」と主張し当初の指標の変更を求めた結果であることを示し、経緯の不合理性を説明しました。
さらに、提訴時点の青森交通圏の適正車両数(上限)との乖離率が23%を超え、タクシー運転者の推定年収も全国最低となっていることを示し「特定地域に指定される必要がある」と述べました。
今後の見通しでは「担当裁判官は人口30万人基準に合理性があるかどうかは法律の問題であり、原告の生活実態は無関係との姿勢だ」とし、「仮に厳しい判断が出されたとしても、特定地域との比較や新たな状況を踏まえた主張を検討する」と述べました。
講演後、参加者から、函館交通圏や盛岡交通圏は交通圏人口で30万人を超えているのに市の人口が30万に満たないので特定地域の指定を受けていない事例や、準特定地域の指定でも、日車営収や賃金の改善が全くないのに花巻市が人口10万人を割り込んだことをもって準特定地域を解除された事例の報告があり、青森裁判に勝利し、指定基準の見直しを実現する闘いに熱いエールが送られました。


ライドシェアは雇用社会を破壊する

北海道ハイ・タク最賃協議会は1月11日、幹事会ならびに学習会を開催し、安倍政権が推し進めようとしている「ライドシェア」と称した白タク行為の合法化における問題点について学習会を開きました。
挨拶した連合北海道の斉藤副事務局長は「白タク行為の合法化は、日本の雇用社会が破壊される懸念があり法律を逸脱している。労使が緊張感を持ち協力して対応する必要がある」と述べました。
学習会の講師はハイタクフォーラム事務局の松永全自交書記長がつとめ「ライドシェアと地域公共交通」と題して講演しました。
ウーバー社やリフト社などが検討している「ライドシェア」は、スマホアプリで一般ドライバーと利用者を仲介し有償で旅客運送をする仕組みであり、運送責任はドライバーのみが負わされ、安全確保や利用者保護には多くの課題があることを訴えました。
また、昨年8月、弁護士や大学教授、私鉄総連、交通労連、全自交が連携を取りながら「交通の安全と労働を考える市民会議」が立ち上がり、「ライドシェア問題を考える」市民集会やシンポジウムを全国で開催していることを報告するとともに、ライドシェアが抱える多くの課題を国民に理解してもらうために、タクシー事業者と連携し「大丈夫?ライドシェア」のリーフレットを全国のタクシーに掲示する予定であることも紹介しました。
さらに海外のウーバー運転手による犯罪が多発する現状やウーバー等のライドシェア自体を多くの国が禁止している現状を報告しました。
さらにタクシーのみならずバス、鉄道、貨物輸送に至るまで公共交通機会に打撃を与えると警鐘を鳴らしました。
連合北海道は、2月7日に「ライドシェアと地域公共交通を考えるプロジェクトチーム」を立ち上げることとなっており、広大な北海道で過疎化が進行する自治体が増える中、ライドシェアの拡大を阻止し、地域住民にとって重要な公共交通の崩壊を食い止めるため、シンポジウムの開催など様々な取り組みを通じ、地域住民の移動手段の確保を求めていくこととしています。


賃上げ1万1千円年間一時金100万円を要求

2017自教労組全国交流会が1月22日、静岡県伊東市のホテル聚楽で開かれ、秋田地連、愛知地連、広島地本から、4単組・支部、8職場の自教の仲間と本部役員の総勢15名が参加しました。昨年、組合を結成した秋田県の羽後自動車学校労組と広島県自動車学校三次支部が初めて参加しました。
交流会の最初に鈴木和彦自教部会長が挨拶し、参加者全員の自己紹介後、各職場の年末一時金の回答状況や職場の課題を出し合いました。
また、連合の自教連絡会で取り組んでいる警察庁・厚労省への要求事項について討議するとともに、定年後再雇用で大幅な賃下げを受けた愛自学労の仲間が労働契約法20条違反の違法な賃金格差だとして裁判闘争を闘うことが報告されました。
その後、自教職場の2017春闘方針について論議し、賃上げ要求を月額1万1千円の統一要求を決定しました。
一時金要求は加盟組合のアンケートをもとに昨年の半期分の最高値を考慮し、年間100万円を要求とすることを決定しました。
こぶしを突き上げ決意を固める参加者





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