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全自交運動の牽引力を確認する大会に 全国の仲間の参加を心より歓迎

日時 10月18日13時~19日11時20分  場所 東京・全電通労働会館
全自交労連第72回定期大会が、4年後にオリンピック・パラリンピックを控えた東京の地で開催されることとなりました。
東日本大震災から5年半が経過しましたが、いまだ復興は道半ばです。そして今年は、集中豪雨や台風で全国各地で被害が出ている中、またも震災が熊本を襲いました。被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。

東京地連溝上泰央執行委員長
東京での開催は7年ぶり8回目の開催となりますが、東京地連は、東日本大震災直後の盛岡大会から、皆様もご存じの通り1単組となってしまいました。あれから5年、現在は5単組まで組織拡大し、全国大会を東京の地で開催する準備は整いました。
我々ハイタク産業を取り巻く環境は一層厳しいものとなっていますが、東京では「東京ハイヤー・タクシー協会」が、初乗り運賃を世界レベルに下げ、近距離利用者を掘り起こす利用者利便に立った施策と称し、「初乗り距離短縮運賃」構想をぶち上げました。我々東京地連は、ここ数年、定額運賃をはじめとする活性化策は、すべて現場で働く乗務員の犠牲のもとに成り立っているものであり、この「初乗り距離短縮運賃」も現場で働く乗務員の賃金・労働条件をさらに悪化させる根源になると断固反対を表明し、文章で「東京ハイヤー・タクシー協会」に突き付けました。さらには、皆様のご協力により、全国の仲間から集まった反対署名約1万8千筆も添え、三度に渡って「運賃組み換え申請の取り下げ」を求めてきました。
しかし、残念ながら保有台数ベースで東京のタクシーの84・7%の事業者が運賃申請し、早ければ今年の12月から運用していきたいとしています。直近の関東交運労協で行った運輸局交渉では、「現在あらゆるデータから減収率が限りなくゼロになるような審査をしている」、「その作業終了後、消費者庁協議、物価問題に関する関係閣僚会議を経て新運賃を公示する」としています。我々東京地連は、全国に波及する恐れのある「初乗り距離短縮運賃」に対し、導入後も反対の姿勢は変わらず、現場で働く歩合制の乗務員の賃金低下には今まで以上に対応していく所存であります。また、ライドシェアと称した「白タク合法化」には、産別の垣根を超えて3月8日に大集会を行いました。さらに、8月5日には、弁護士・運輸政策研究者・市民団体等を巻き込み「交通の安全と労働を考える市民会議」を立ち上げ、9月29日には公開シンポジュウムを行い、タクシーの安全性とウーバーを筆頭とするマッチング事業者の危険性を広く世論に喚起しました。
「白タク合法化」に対し、現在国土交通省は、「現状のままでは輸送の安全が保てない」と解禁、合法化に慎重な姿勢を示してくれてはいますが、このライドシェア問題は、政府の成長戦略との関係で、内閣府が事務局を担当する「未来投資会議」「国家戦略特区諮問会議」「規制改革推進会議」などが規制緩和の急先鋒として、また自動運転との関係で自動車産業としての観点から経済産業省、運転免許制度や道路交通法との関係で警察庁、そしてスマートフォンが関係してくることから情報・通信産業としての側面から総務省も関心を示しており、「運輸業だから国交省の専権事項」といった観点の運動だけではどこまでもちこたえられるかわからないと考えています。そんな背景の中、東京で開催される全自交労連第72回定期大会を成功裏に終了させ、全自交運動の益々の重要性と産別としての牽引力を確認したいと思います。
東京都は、人口1360万人で日本の都道府県の中では人口が最も多く、日本の人口の1割以上が住んでいます。さらに、人口密度も日本の都道府県のなかで最も高く、東京都を中心とする首都圏は人口3700万人を超える世界最大の都市圏です。東京にお越しの際は、世界一高い電波塔のスカイツリーをはじめ、見るだけでも楽しい銀座や新宿のデパ地下、まるでテーマパークのような秋葉原電気街、そして「おばあちゃんの原宿」と言われる巣鴨地蔵通り商店街等、会場の全電通会館からいずれも小一時間で行けますので、是非ディープな東京をお楽しみ下さい。全国の仲間の参加を東京地連一同、心より歓迎を申し上げます。


無権利な労働者の拡大を許すな

8月5日に立ち上げた「交通の安全と労働を考える市民会議」の第一回シンポジウムが9月22日11時30分から東京・衆議院第二議員会館多目的ホールで開かれました。
定員150名の会場は開始時間前からほぼ満席となり、開始時間となる頃には立ち見が大勢出るなど関心の高さが伺われました。主催者を除いて全自交を含む労働関係から約150名のほか、全タク連や各事業者に加え弁護士、報道関係者も多数つめかけ総勢200名を超える出席者となりました。
今回の「市民会議」の立ち上げやシンポジウムを催した目的は、現在「ライドシェア」解禁の是非について政府やメディアで色々と議論されており、「ライドシェア」が解禁となったときには社会はどのような影響を受け、影響を与えるのかを多角的に検証することにあります。安全管理・労働条件・利用者の安全に与える影響等々、こうした点について議論を深め真実を共有する目的で行われたものです。
シンポジウム冒頭、主催者側として代表あいさつに立った東京共同法律事務所の宮里邦雄弁護士は「ライドシェアの利便性は否定するものではないが安心・安全を損なう『ライドシェア問題』について色々な観点から改めて見直す機会にしたい」と話すと同時に「日本で導入された場合、利用者の安全は確保できるのか、タクシー運転手の雇用や労働条件はどうなるのか、多くの課題を検討すべきだ」と訴えました。
この日のシンポジウムには衆・参国会議員の姿も多く見られ、民進党や社民党の参加議員は21名、加えて議員秘書24名、自民党議員秘書1名も出席しました。
代表挨拶をする宮里弁護士

便利なら・特区ならという間違った理解は危険

発起人の一人でシンポジウム登壇者である大妻女子大の戸崎肇教授は、スクリーンを使いながら「ライドシェア」を賞賛する風潮に警鐘を鳴らし「一昨年施行された交通政策基本法を軸に地方交通体系を考えるべきであり、ライドシェアはバス、鉄道、タクシーの交通体系を破壊するだけではなく交通が支えている地域の生活そのものや、文化、医療なども破壊してしまう。公共交通が不十分な地方では『安くて便利なサービス』という主張が通りやすい。地方の交通体系をどうするかという総合的な対案づくりを急がなければならない」との考えを示した上で「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて全体が焦っている感じを受けるが、現在の交通がどのような過程を経て今の形になったのかを今一度考えなければならない。便利だから、だけでは社会が誤った理解のまま共感が広まってしまう。そうならないように、今のうちに対策を講じるべきだ」と強く訴えました。
また、発起人の一人でアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長は、「サービス貿易」の観点から「ライドシェアの本質は持っている人たちのモノを共有するとの考え方で、その実態はオンデマンドだ。欲しい時に欲しいだけサービスにアクセスするもの。日本で問題とされているライドシェアはいわゆる『ギグ・エコノミー』であり、日雇いや請負の意味合いが大きい。ここで誰がルールを決めるのかを提起したい。ライドシェアには業界の声が反映されておらず、一部企業が儲かる仕組みにほかならない」と問題提起しました。

また、日本労働弁護団幹事長の棗一郎弁護士は「雇用関係でない無権利な個人事業主の形が広がる恐れ」を指摘し、労働法制が改悪へ向かおうとするなか典型的な自己責任型労働になりかねず、一方でバス、タクシーなどの公共交通を破壊した後の立て直しはほぼ不可能に近いという危惧を示しました。
今回開催された市民会議にはITF(国際運輸労連)も高い関心を示しており、日本では交運労協が窓口となる東京事務所の瀧勝次代表は、11月下旬に東京で開催されるITFアジア太平洋地域総会でシンポジウムの報告と、ウーバー問題の追求を加速したいと挨拶しました。
続いて、日弁連元副会長の新里宏二弁護士が問題提起するとともに、ドライバー代表の村瀬沙織さんと利用者代表として元キャビンアテンダントの佐藤千恵子さんが発言しました。最後に今回のシンポジウム総括を求められた民進党の辻元清美衆議院議員は、「この集会が『ライドシェア』問題についてわかりやすく訴える機会になって欲しい。地方自治体関係者でもライドシェアを『便利なら』『特区なら』と間違って理解しているところも多い」とし、「市民会議として全国の自治体に意識調査などを実施したらどうか」などの提案もあり、今後の活動の一助として視野に入れて行くことになります。


必ずやり抜く福島の復興・再生 職場と生活を守るために団結して進む

労働条件改善に向け団結固める
全自交福島地本は9月28日、福島県郡山市の富久山総合学習センターを会場に第58回年次大会を開き、新年度の運動方針を確立しました。
この日の定期大会には、全県から約40人の役員・代議員が出席するとともに来賓として全自交労連、連合福島、福島県交運労協、全労済から4名が駆けつけました。
主催者代表挨拶で林幹雄委員長は「安全な福島を取り戻すために必ずやり抜く決意で復興と再生に引き続き全力を挙げて行こう」と呼びかけるとともに「規制改革会議が推進しようとしている白タク・ライドシェアを許さず、タクシー労働者の労働条件が改善さるよう春闘でさらに努力したい。職場と生活を守るために団結して進んでいこう」と参加者に訴えました。
来賓あいさつでは全自交労連の高橋学書記次長、連合福島、福島県交運労協、全労済福島県本部の代表者が連帯の挨拶を述べ、参加者を激励しました。
その後、大槻政好書記長が1年間の活動報告、決算報告を行いともに承認されました。
休憩後、全自交労連の高橋書記次長が講演し、白タク・ライドシェア導入の危険性、青森裁判と新たな運賃競争、春闘の特徴等について訴えました。
続いて、大槻政好書記長が「失地回復」を基軸に据えた新年度運動方針を提案し、不当労働行為のチェックを強化し、組織人員の減少が続く現状を転換することを強く訴えました。
新年度の運動方針と予算を満場一致で承認・確立し、最後にガンバロウを全員で元気に三唱して年次大会を締めました。


450両削減の営業制限

横浜駅のタクシープール
第2回京浜交通圏特定地域協議会が9月23日開かれ、法人事業者で450両を削減す特定地域計画を承認しました。
京浜交通圏は適正車両数上限との乖離率は7・5%(515両)となっています。地域計画案では、各事業者がこれまで車両数を削減してきた実績を考慮し、各事業者の削減率を算出した結果、地域全体の合計削減数は450両となりました。また、削減する車両を一般タクシーかハイヤーかを選択できるとともに、「預かり休車」か「休車」についても選択できることとしています。個人タクシーは定休日の月2日に加えさらに2日の休車を行うこととなります。運行する車両には「運行可能ステッカー」を車体に貼付することとなります。

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