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2015夏季労働セミナー
不満を行動に移すことで道が開ける 白タク行為の合法化絶対阻止の緊急決議を採択(静岡県伊東市)


2015年7月14・15日 全自交労連2015夏季労働セミナーで「白タク行為の合法化阻止」を採択

全自交労連は7月14・15日の2日間、静岡県伊東市で「2015夏季労働セミナー」を開き、全国から160名の仲間が結集。
討議課題の柱として、
①タクシー規制緩和政策の転換
②附帯決議履行で労働条件改善
③改正法の骨抜きを許さず、白タク根絶、事業の健全化
④組織の維持・強化への取り組み
を提起。全タク連の坂本克己本部長と神谷俊広理事長の来賓挨拶と組織内候補として4月に当選した山名文世八戸市議会議員の挨拶の後、国交省の寺田吉道自動車局旅客課長の講演を受け、推薦決定した吉田忠智社民党党首の激励を受けました。

服部達彦副委員長が開会の挨拶を行い、座長を選出した後、森茂副委員長が運営日程を提案。そして伊藤実中央執行委員長が来賓を紹介しながら、次期参議院議員選挙に吉田忠智社民党党首を推薦決定したことを報告し、2015春闘状況、改正法の施行状況を述べ「ウーバーやリフトの白タク行為を合法化することは絶対阻止しなければならない」と参加者に訴えました。

来賓挨拶では、全タク連の坂本本部長が「守ってたらあかん。攻めなきゃ。みんな誇りを持って頑張ろう」と激励し、神谷理事長は海外から上陸する白タク行為を批判し「労使一体、与野党一体、個タクとも連携して白タク合法化を阻止する」と述べました。山名八戸市議会議員は「全自交の組織内候補者として4月に当選できた」とお礼を述べ、全自交加盟組合として闘ってきた三八五労組の闘いの歴史を紹介し「改正法や交通政策基本法が活かされる社会を作る」と決意を語りました。

国交省の寺田吉道旅客課長が講演し、ウーバーの福岡での実証実験は許可を得ない有償運送として中止させたことを報告しました。講演後5名の仲間が地域の課題や国交省の見解について質問しました。その後、松永次央書記長がセミナーの討議課題を提起しました。その後、社民党の吉田忠智党首が戦争法案を巡る国会情勢と参議院選挙に向けた決意を述べました。

※ 画像をクリックして大きくご覧いただけます。


第1日目 国交省の旅客課、寺田吉道課長の公演後に質問した5名の紹介



2015年統一地方選挙岩手県釜石市議会選挙に全自交岩手地本組織内候補として後藤文雄さんが社民党公認で立ち上がることを決定しました。

伊藤実中央執行委員長のあいさつ

第1日目の最後、壇上で、社民党吉田忠智党首に伊藤中央執行委員長より、来年の参議院選挙に向けて、全自交が全面的に応援する事を決定をし、推薦状を手渡しました。厳しい暑さの中、全国各地から夏季セミナーに参集頂きましてありがとうございます。

2015春闘は実質賃金の低下を許さず、格差是正と公共交通労働者にふさわしい労働条件を目指して月額1万円の統一要求で闘ってきましたが、進捗状況は3・4月の妥結組合が昨年を上回ったものの、5月に入ってペースダウンの状況にあります。妥結内容はベアに届かない現状はありますが、新潟での賃金改善や名鉄グループの一時金獲得もありますし、運転者負担やA型賃金に転換した組合も出ており、こうした前進面も確認して総括したい。

改正法が施行されて1年6ヵ月が経過しようとしていますが、規制改革会議の介入で特定地域候補地が29地域だけとなりました。事業者の身勝手で特定地域の指定を拒む地域も出て、19勝10敗となりました。特定地域に指定された地域では賃金の改善目標を決めて成果を出して欲しいと思います。

規制改革会議の横ヤリによって特定地域の指定基準で30万人未満の地域が切り捨てられましたが、青森地連が改正法の趣旨・目的に反するとして行政訴訟を起こすことを決定しました。不満を行動に移すことで道が開ける。全国の支援をお願いしたい。福岡で2月にウーバーの実証実験として白タク行為を行ってきたことに強く抗議し、中止に追い込むことができましたが、今度は楽天の三木谷氏がリフトに360億円を出資し白タクを合法化しようと自民党に働き掛けを強めています。

こんな事がまかり通れば公共交通の存続が危うくなります。絶対に阻止する思いの中で決議を採択したい。
政治の面では安倍政権の傲慢な国会運営に批判が高まっている。来年の参議院選挙では推薦した田城、吉田の当選のために奮闘頂きたい。


第2日目 民主党・櫻井充参議院による「規制緩和以後の取組り」講演

第二日目は、櫻井充参議院議員が講演し、規制緩和以後、仙台市内の労働条件の急激な低下から、「逆特区」申請を行い、新規参入と増車を止める流れを作った取り組みを紹介し、安倍政権の誤算として経済政策で株は上がったが物価上昇と実質賃金の低下を招き、国民生活が低下。賃金上昇と将来不安の払拭で好循環を作り出すことの重要性を訴えました。また、医師として腰痛の治し方を実演し、好評でした。その後の全体討論では、6名が報告・質問・意見を述べ活発に議論しました。

松永書記長がセミナーのまとめを行い、白タク行為の合法化阻止の緊急決議を森田貫二書記次長が提案し採択しました。



京都地連・蒲生さん
 京都は深夜早朝割増運賃廃止が事業者が多く、大変厳しい。今年2月から問題が提起されてきて、それ以前にエムケイには25、6年前から悩まされてきた。特措法の問題でも大阪、京都、神戸でかなり業界を混乱に巻き込んできている。その中で京都で伊藤委員長、関西地連に参加いただき、4月23日に街宣行動を行った。駅待機の乗務員にチラシを配布したがそれが事業者にも相当伝わっていたと思うが、この効果は今となっては非常に大きかったと思う。京都の場合、エムケイの影響を受けて事業者同士の争いが激しく、値下げ競争に拍車がかかってきた。その競争の煽りを受けている乗務員がそのことを理解していない。先月数社が深夜早朝割増廃止申請の取り下げを行った。現状20%~40%というところで、かなり収束してきた。今後も協力をいただきながら取り組みを進めていきたい。

答弁:松永書記長
 京都も大阪もそうですが、エムケイみたいな事業者が自分ところだけ生き残るために、こういうものを仕掛けている。それに対して、他の事業者が深夜早朝割増廃止という同じ事で対抗してしまった。どちらも労働者の権利を奪うという前提であります。今割り引き廃止の廃止が京都で進んできていることはいいことだと思っています。


宮城地本・嶺岸さん
 心筋梗塞、脳梗塞の部分で乗務員に対する検査のことが載ってたが、宮城の場合運転者の平均年齢が59歳超で、高齢者という部類です。うちの前書記長がくも膜下で倒れました。今治療中ということもあるが、そのほかに執行委員もくも膜下で倒れてしまった。ほかに心筋梗塞で死亡した者もいます。安心・安全というけれど運転手が安心安全では無くなっている。乗務員の健康を守るという観点から、MRIの実施を本部の方から経営者に働きかけて欲しい。

答弁:松永書記長
 会社側に健康診断をもっと丁寧なものにして欲しいという事とともに、健康診断は個々の事業者の努力というものがあって、事業者によって確かに内容の違いがあります。安心安全を提供する側として、また、高齢者の免許返納者に対して1割引というそれぞれの地域で努力しています。ただ、返納した方々より運転者の方が高齢の方がいるという地域の実態があります。安心安全を提供するには、自分たちの健康というものを認識していかなければ行けないと思います。健康管理では体調は自分にしか判らないと言うことと、事業者には高齢者の運転者にどう対応していくのか労使でもっと議論をしていただきたい。


北海道地連・野中さん
 函館交通圏において、30万人以下ということで特定地域に指定されてないんですが、函館交通圏は3つの市町で35、6万人くらいにはなるので、ぜひ特定地域の指定をお願いしたい。

答弁:松永書記長
 30万人という括りは、あとから付けられたことであって、2年前にこの法律の議論をしてたときには、30万という数字はありました。ただし、30万以外のところも特定地域として選ばれるということを議論しました。その30万人の都市を含むという事になってしまったのは、間違いなく規制改革会議の横やりで、最終的に29地域の候補地となったわけです。この基準を改正させなければ行けないとともに、国交省は30万人の括りについては決して前向きではありません。また、営業地域の区割りも過去のままなのでそれを見直そうという話も出てきています。こういう事にはこれからもしっかり意見を出していきます。


青森地連・江良さん
 特定地域の指定要件が30万人というせいか、どうして30万人でなければならなかったのかということについて、東北では秋田、仙台が指定をされました。青森市は今29万6千人です。その4千人のところでなぜ特定地域にならなかったのか。今青森市交通圏の状況は、2014年度のタクシー運転者の年収は全国で最低でした。適正車両との乖離率が23.7%と大変大きな開きがある。それと青森市には低額運賃事業者がおり、低額運賃・割引競争と大阪や京都以上のものかなと思っています。どうしても特定地域になってその中でそうした事業者を陶太していくというのは、我々労働組合も事業者も同じ考えです。今回、本部の力も借りて行政訴訟を起こしたい。弁護士には2回相談し、お金がないのでなんとか安い報酬でお願いしたいと頼んでいます。本部からも了解をいただいたので、10月を目処に訴訟準備をしていきます。青森地連はお金がありません。しかし、お金がないからとこの事を泣き寝入りはできないという強い思いを持って訴訟に踏み切ろうとしているところです。全国の皆さんにご支援をお願いしたいと思います。

答弁:松永書記長
 青森が今回の指定基準の問題で、本来の改正法の趣旨からいけば全国でたくさん特定地域となるべきところ29地域に抑えられたことに対して、全国を代表して意義を訴えたいということで、力強く言っていただいて訴訟を起こすことになりました。これから原告団、弁護士と話をしながら9月か10月くらいには訴訟を起こしたいという事で聞いています。それについては青森は、当人もこの場にいらっしゃいますが八戸市議議員の山名さんも含めて全自交青森は一所懸命タクシー問題を支えてきました。そういった意味では全国を背負う訴訟を起こす青森に対して、是非全国の仲間から強制ではなくカンパ要請を本部から出したいと思っています。現場の仲間にそういうことをするんだということを伝えていただいて、支援をしていきたいと思っています。


大阪地連・権藤さん
 今般の大阪の特定地域指定に関することなどで行政に根回しに回った。以前の大阪府の準特定地域の会議は、その時の会長は運輸局なので、同じ行政の市の担当者にはアプローチして説明に行き、自治体も理解を示していた。会議で理解ができないところは協議会会長に一任をして、取り付けるというところまで根回しをしてスムーズに行ってきた。今回事務局がタクシー協会になり、色んな思惑で全然根回しにも行ってない。自治体は説明も聞かされてない。自治体が反対したらあとはまた困るわけですから、それも含めて弁護士が20人とか異様な人数が集まって会議をして、そこで投票だけでも1時間かかるようなことでした。そこでこちらから意見を出し、構成員を変えたいと訴えた。無駄に多い枠は混乱を招くだけである。ぜひ全自交労連として、行政を通してその事に協力してもらいたい。

答弁:松永書記長
 中執会議でも説明がありました。基本的に協議会のメンバーの出入り自由なのを作ったことに問題があると思っています。弁護士が20名も参加し、200名を超えるような協議会参加者がいるということは異様な状況としか思えない。今まで行ってきているように、地方運輸局長がこの協議会を仕切らないということに一番の問題があると思っています。ただし、附帯決議でそこの問題から逃げられるように行政が附帯決議を付けました。色々な読み方があると思いますが、地方運輸局長が最終的な採決では参加しなければいいんであって、協議会のあり方は運輸局が前に進めないと、タクシーの協会長が会議を取り仕切ってみても、参入自由な協議会を作ってしまったらまとめられる力は利害関係者だから残念ながらありません。全自交はこれからも特定・準特定の問題については論点を整理しながら意見を言っていきたいと思います。やはり地方運輸局の長が前向きにこの問題に取り組むようにするべきだと思っています。
準特定地域で特定地域に同意したということは、どういうことなのか。そのあとにわざわざ公聴会を開いて反対側の要望を出させてもう一度聞かすということは、協議会で議論したことは一体何だったのか置き去りにされてしまっている。ここに問題があると思っているので、特定地域、準特定地域の協議会というのは、しっかりしたシステムを作っていかなければならないと思っているので、更なる声を出していきます。国交省もこの点に問題があるとは思っているので意見を出していきたい。


群馬地連・柏木さん
 代行問題で本部の考えを聞かせて欲しい。代行事務権限は一斉に移譲されたんですが、大都市の場合は代行が割と少ないのではないかと思います。ただ、地方へ行けば行くほど代行は大きな問題になってるわけです。今までハイタク問題を警察交渉の中へ持って行くと、ハイタクの問題は国交省管轄なので明快な回答はできませんという答えです。言い方は悪いが、自治体のような素人に代行問題を移譲するという中で、群馬は特に代行問題で、群馬の地方へ行くほど混乱がある。その混乱が拡大しているんじゃないかと懸念しています。国交省、運輸局に対してどのような考えで全自交としての申し入れなり交渉なりしているのか聞かせてもらいたい。代行問題が素人の自治体に任されるということについては、大きな問題なのでそのこともお聞きしたい。

答弁:松永書記長
 以前から群馬も代行問題が大きくて、県警などへ指導してもらいたいと言ったときには、だったらタクシーも1週間から10日ほど駐停車禁止場所からいなくなれということもありました。同じところに同じようにいて、片方が駐車違反でもう一方は駐車違反ではないと。今は認められてしまっている運転代行に対して、どういう問題を私たちなりに主張しなければいけないかというのがずっときた歴史であります。40年来この問題をそれぞれの地域で摘発行為を行ったり色々なことをやってきました。ただ、私たちとしては国が国交省に何か地方に委ねられることがないのかという中で、有償運送と運転代行を本年から切り離すという考え方に至ったというこうとについては、何でタクシーというものと一番接点を持ちながらぶつかり合って白タク行為をしているような運転代行に対して、地方に権限を委ねるんだということを指摘してきました。4月1日から都道府県に移譲することで手を挙げた地域があります。資料でもありますが、例えば手を挙げた佐賀市などは、繁華街で夜になると道路両側に方輪を乗せて運転代行車が全部占拠する。そこにタクシーがお客さんを降ろすだけで通り過ぎていく。という異常な実態を何度かみました。なぜこういう所が取締をできなくて、真っ先に当時の佐賀県知事が手を挙げて運転代行を地域でやりたいと名乗り出ました。運転代行問題はこれから各自治体で色々な意見が出ると思っています。


全体のまとめ:松永書記長
 昨年もいいましたが、地方自治体の選挙で支援する議員を作り増やしていくことで、自治体での交通政策のあり方を議論してもらわなければいけない。
 今後地方分権が進んでいく中で、こうした自治体の方針で私たちタクシーを重要視する政策を進めるのは地方議員関係であるので、各地域では取り組んで行って欲しい。来年の参議院選挙が一つの試金石になると思っています。風を起こさなければ、私たちタクシーの将来は無くなってしまいます。今年の中央委員会で特定地域の指定基準に対する反対決議をしました。一昨日の中執会議では、今回の白タク行為に対する決議も確認しました。やはり問題点は問題点としてしっかり国側に伝え、決議文を出して抗議をし、私たちの主張をしていきたいと思っています。夏季セミナーや中央委員会、大会などでの我々の主張をぜひ仲間たちに伝えていただきながら、一緒にハイタクの問題をしっかりと議論し、白タク行為などについては歯止めをかけたい。三木谷氏が進めようとしている問題は、白タクを法律改正によって合法化し、業として成立させるという今までにないやり方であり敵だと思っています。
講演していただいた民主党の桜井議員や、社民党の吉田党首のように熱い方がおられます。そういう風を私たちは起こさなければいけないということを夏季セミナーで共有し明日からまた運動に向かっていきたいと思っています。


最後に、伊藤中央執行委員長の掛け声で「団結ガンバロウ」を三唱し締めました。

→ 白タク行為の合法化に断固反対し、阻止する緊急決議(全文) ▼展開



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