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ハイタクフォーラム約15万筆の署名提出


ハイタクフォーラムの溝上代表が、タクシー政策議連の近藤会長に請願署名を託しました(写真中央)。
署名提出には立憲民主党の逢坂代表代行(左から5人目)をはじめ、多くの議員が駆け付けました

ハイタクフォーラム(全自交労連、交通労連ハイタク部会、私鉄総連ハイタク協議会)は全国で「交通運輸労働者の賃上げ政策を求める請願署名」に取り組み、5月27日時点で集約した14万7440筆をタクシー政策議員連盟の各議員に託しました。その後の追加分も含め、6月8日までに14万9034筆が衆議院37名、参議院24名の国会議員によって、衆参両院に提出されています。

15万筆近い署名を都道府県ごとに仕分け提出
請願署名の趣旨は、エッセンシャルワーカーでありながら極めて低い賃金・労働条件に置かれている交通運輸労働者の現状を訴え、医療・介護・福祉・保育の分野と同様に、抜本的な賃上げに向けた国の政策を強く求める内容です。
5月27日、参議院議員会館で行われた署名の提出には全国のハイタク労働者を代表して約60人が参加。議員と意見交換し、生活の苦しさ、ハイタク産業全体の厳しい状況を訴えました。
ハイタクフォーラムの溝上泰央代表幹事(全自交労連中央執行委員長)は「特に地方では倒産・廃業が止まらず、国民の移動する権利すら奪われようとしている。我々の悲痛な思いが14万7000筆を超える署名に集められた。交通運輸産業に従事するエッセンシャルワーカーの悲痛な叫びをお聞きいただき、ハイタク産業が持続可能な産業として、元気を取り戻せるような政策をお願いしたい」と訴えました。
タクシー政策議連の近藤昭一会長は「皆さまは厳しい状況におかれている中で、本当に社会を支えていただいている。賃上げはもちろんのこと、社会が支えていくべき職業だ」と、集められた思いに応えました。立憲民主党からは、逢坂誠二代表代行も出席し、参院選に向けた『生活安全保障』の概念を説明。「あらゆる政策は国民の生活を守るためにある」と述べ、地域の足を守り抜く決意を示しました。

ハイタクフォーラム請願署名

全自交地連本の主な集約数 ※2000筆以上の地連本について掲載

岩手地本9478筆
東京地連8162筆
北海道地連7090筆
愛知地連6065筆
兵庫地連5460筆
神奈川地連2888筆
高知地連2172筆
長崎県タク2066筆

国会に提出いただいた議員一覧 (6月8日時点、敬称略、記載順は所属会派ごとに署名の受理番号順)

【衆議院】
◆立憲民主党=新垣邦男、井坂信彦、泉健太、梅谷守、枝野幸男、おおつき紅葉、大西健介、逢坂誠二、落合貴之、金子恵美、佐藤公治、徳永久志、野間健、本庄知史、牧義夫、松木けんこう、山岡達丸、吉田はるみ、早稲田ゆき、荒井優、神谷裕、小宮山泰子(タクシー政策議連・幹事長)、神津たけし、近藤昭一(議連・会長)、末松義規、伴野豊、馬淵澄夫、山井和則、櫻井周、藤岡隆雄、階猛、森山浩行(議連・幹事長代行)、渡辺創
◆国民民主党=鈴木敦、長友慎治、西岡秀子、浅野哲

【参議院】
◆立憲民主党=塩村あやか、江崎孝、小沼巧、木戸口英司、岸真紀子、古賀之士、田島麻衣子、田名部匡代、徳永エリ、野田国義、水岡俊一、宮沢由佳、横沢高徳、長浜博行、森本真治、牧山ひろえ、杉尾秀哉、森屋隆(議連事務局長として2回にわたり多くの署名を提出いただきました)、勝部賢志、石橋通宏、福山哲郎
◆国民民主党=舟山康江、田村まみ
◆無所属=平山佐知子



全自交労連は7月に行われる第26回参議院選挙の全国比例で「鬼木まこと」氏(自治労組織内予定候補・立憲民主党)と「辻元清美」氏(私鉄総連準組織内予定候補・立憲民主党)の2名を推薦決定しています。交運労協からも推薦を受ける両氏は、5月23日の交通運輸政策研究集会でメッセージを発しています。

◆鬼木氏
鬼木氏は新型コロナが交通運輸産業に与えた影響に触れ「輸送人員の回復が従前の状況まで見込めないことも想定し、減収分について感染症対策費等の活用で補てんするなど、賃金・労働条件に影響させないよう国会、省庁対策に取り組みたい」と語りました。また鬼木氏が訴える政策「公共サービスの拡大」は、タクシーが今後も地域公共交通として生き残るため、欠かすことのできない重要な課題です。
鬼木まこと氏
自治労組織内予定候補・立憲民主党
自治労中央本部前書記長

◆辻元氏
辻元氏は衆議院議員時代、数多の国会議員の中でも一、二を争うほどタクシー問題に詳しく、長年にわたりタクシー規制緩和と闘い続けた、業界労使にとって恩人とも言える人です。昨年の衆院選で惜敗後は、全国の交通運輸産業の職場などをまわっており、「コロナ禍では、いかに国や自治体の支援を引き出して交通運輸・観光産業に持続可能性をもたせるか。そんな仕事をしてきました。引き続き皆さんの声を国政に届ける役をさせてほしい」と熱い思いを訴えました。
辻元清美氏
私鉄総連準組織内予定候補・立憲民主党
前衆議院議員、タクシー政策議員連盟前会長


カスタマーハラスメントを許さない

パネルディスカッションでは、カスハラをなくすために、社会全体の意識を変えることの必要性も語り合いました。
交運労協は5月23日、田町交通ビルで第27回交通運輸政策研究集会を開き、「すべての働く者が互いに尊重し、共感しあえる社会を創ろう」をテーマに、カスタマーハラスメント(利用者からの暴言や悪質なクレーム)の防止について議論を深めました。
昨年のアンケート調査では「直近2年以内で利用者からの迷惑行為にあった」と答えた人がタクシーでは58%に上り、職種別で最多。言いがかりや人格を否定するような暴言がハイタク乗務員の大きなストレスになっています。
住野敏彦議長は「これまで苦情や不満は、『お客さまのご意見』として真摯に対応してきたが、度を越して人権侵害と言っても過言ではない」とカスハラを批判。交運労協独自に「カスハラ防止ガイドライン」の素案を作成した慶島譲治事務局長は、現場の労働者を守るために企業が行うべき対応を解説し、また「同じ労働者同士でも、なぜ利用者の立場になれば理不尽な行為にはしるのか。連帯・団結・共感とは無縁の労働現場が増加していることも背景にあるのでは」と労働運動としての課題も提起しています。
厚生労働省の中込佐和ハラスメント防止対策室長を交えたパネルディスカッションが行われ、UAゼンセン、運輸労連、私鉄総連がカスハラ防止の取り組み事例などを報告しました。

LPガス支援金が大幅増額 台当たり1万8千円超に
今こそ労働者への分配を

国土交通省がLPガスの高騰対策として行っている補助事業「タクシー・燃料価格激変緩和対策事業」の第二期(算定期間・4月1日~5月31日の61日間)の申請が始まりました。期間を通してLPガスのタクシー1台当たりに出る補助金額を計算すると、1万8217円となり、第一期(同1月27日~3月31日の64日間)の4478円から大幅にアップしています。
事業者には必ず申請するよう働きかけ、コロナ禍の歩合給で苦しみ続けてきたハイタク労働者への分配を要求していきましょう。
申請締め切りは第一期分が6月24日、第二期分が7月12日となっています。また6月以降も補助は続き(第三期)、9月分までは継続される見通しです。6月分以降の予算として、84億円が計上されています。
補助金額の計算に使う「LPガスの1日平均使用量」は、第一期で全国一律10・7リッターと設定され、走行距離の長い地域では「実態を反映していない」という批判の声も強くありました。第二期では、全国一律のルールは変わらないものの、1日平均使用量の数値が14・2リッターに上がっており、補助金額を増加させる要因となっています。



全自交の新潟地連、富山地連、石川ハイタク連合会、長野地連、福井地連は、5月16、17日に新潟県新発田市の月岡温泉「ホテル泉慶」で北陸信越5県討論集会を開き、各地から38人が参加。同一労働・同一賃金の実現や歩率アップなどの春闘成果を共有する一方、コロナ禍での苦しい春闘交渉や組織問題などについても意見交換を行いました。
冒頭、開催地を代表して新潟地連の中川義昭委員長があいさつし「ロシアのウクライナ侵攻で生活物資の値段は軒並み上がり続けている。給料がほとんど上がらない中、物価だけが上がることがないよう、皆さんと運動を展開していきたい」と語りました。また新潟地連の海藤正彦書記長が問題提起し、「まずは最低賃金分の固定給を」と強く訴えました。同時に行政監査の強化を求め「知床の遊覧船事故でも問題があるとわかっていながら放置した。人が死んでからしか動かない」と、行政の甘い姿勢を厳しく批判しました。

富山地連・石橋委員長の
団結ガンバローで閉会(5月17日)
中部地連の本田有委員長が来賓としてあいさつし「10月1日より社会保険の適用範囲が広がる。歓迎すべき話だが、事業者側はコストの増加と捉え『今まで以上に働いて稼げ』となるか、週20時間未満なら対象外なので『20時間以上働くな』となるか、二極化する可能性がある。労働組合としてどう関わるかは大きなテーマだ。週20時間未満では年休も大幅に減る。会社と十分な協議が必要だ」と投げかけました。
本部の松永次央書記長が「尊厳ある地域の公共交通になるために」と講演。「公共交通として自治体に認められるためには経営者の改革が重要」と語る一方、「乗務員も利用者に選ばれるための努力をしなくては。社員教育を徹底することで日本交通の売上は大きく上がった」と述べ、労使双方が価値観を共有し、実行することの大切さを説きました。
津田光太郎本部書記次長が全自交のオンライン会議導入について説明。参加者からは顔を合わせることの大切さを指摘する声や、一般組合員に産別の活動や熱気を理解してもらうため、動画の活用を求める声が上がりました。
最後に、5県を代表し富山地連の石橋剛委員長が「全自交の旗の下、ここに集い、まずは選挙闘争、そしてさらなる発展を目指し団結してがんばろう」と討論集会を締めくくりました。

新発田観光・しあわせ交通
新潟・自主経営2社が奮闘

しあわせ交通のタクシー車両
全自交本部の松永次央書記長と津田光太郎書記次長は、5月17日、新潟地連の海藤正彦書記長の案内で新潟地連の自主経営2社、「新発田観光タクシー」と「しあわせ交通」を訪問しました。経営者の無策から行き詰った会社を労働者が立て直し、地域で活躍する状況に対し、松永書記長は「これからもどうか、頑張ってください。ありがとうございます」と、心から敬意を表しました。

両社とも地域の利用者からの信頼を得て、コロナ禍の厳しい状況でも経営を続けており、今春闘では全従業員に一
律1万円の一時金を支給。さらにしあわせ交通では、将来を担う若い乗務員の採用につなげるためにも、65歳まで
の正社員の歩率2%アップ(45%から47%)を実施しています。また新潟地連のつながりで、優秀な人材を招き入
れるなど、労働組合の力を経営に生かしています。
新発田観光タクシー社屋にて。
中央が山田正勝社長、右端が藤間吉晴委員長。



2022春闘妥結状況 第3弾(6月7日時点)

【北海道地連】
4.11 室蘭つばめ交通労組 賃金・労働条件維持。
4.21 中央ハイヤー労組(根室) A型賃金を現状維持。夜間の利用者減少に伴い、遅番勤務の出庫・帰庫時間を10時~26時から9時~25時に早める職場環境改善。
5.12 全自交相互交通労組 賃金・労働条件現状維持。ただし病欠・入院による欠勤を皆勤手当の計算から除外すること、健康診断個別受診時の費用を会社負担とすることで合意。
5.13 太洋ハイヤー労組 賃金・労働条件は現状維持。組合が提唱したパワハラ防止規定を軸とするパワハラ防止協定を締結。ワイシャツ支給。

【岩手地本】
2.25 玉川支部 賃金現状維持。
3.4 釜石支部 賃金現状維持。
3.6 一関支部 賃金現状維持。
4.26 北都支部 ①制服支給②事故弁済規定の見直し③乗務員紹介手当支給。
6.5 つばめ分会 賃金現状維持。

【宮城地本】
4.30 稲荷支部 賃金現状維持。
4.30 仙南地区(仙南観光支部、柴田稲荷支部、新盛堂支部) 賃金現状維持。
5.10 振興支部 賃金現状維持。
5.10 振興多賀城支部 賃金現状維持。
5.25 KM仙台支部 賃金現状維持。組合福利厚生費20万円。洗車機買い替え。

【東京地連】
4.25 東洋交通労働組合 組合として解決一時金1432万6000円を獲得し組合員に配分。在籍1年以上で2万円、1年未満で1万円、無事故・無違反・無苦情・営収年間700万円超なら5万円など。モニタリング調査満点で5000円。全組合員に全自交争議支援・組織強化の「うどん」か「素麺」を配布。

【東京地連・三交労】
3.14 髙鉄支部 新賃金協定を締結し、A型賃金からAB型賃金に移行。月例給50%、深夜2%、一時金3.3%で合意。退職金積立4000円減。その他細部は今後の労使協議。
3.16 和親支部 生産協力金として出番数×100円。コロナ禍での足切り金額緩和。
3.23 大和交通保谷支部 賃金現行通り。自主退職金や高齢乗務員の条件見直しを協議。
3.30 大国支部 有給休暇の柔軟な取得。近隣のLPガススタンド利用に関し継続協議。
3.30 八交支部 定昇250円。一時金は現行通り。
不明 大成支部 一時金や労働条件現状維持。
3.31 八南支部 定昇800円。一時金支給ランクは現行通りとするが、コロナ休業期間中の足切り試算は行う。
4.12 武交支部 賃金・一時金支給内容は現行通り。夏季一時金は協定、冬季一時金は秋闘で。コロナ対策オゾン発生器を導入。
4.13 美善支部 賃金・一時金は現行通り年間協定。

【神奈川地連】
4.12 秦野交通労組 コロナ禍での対応として2022年10月末までの期間限定で行っていた賃率引き下げ措置について、前倒しで5月より解除し、以前の賃率に復元。所定出勤率8割未満の場合も、乗務員(6割以上)、乗務員以外(7割以上)の出勤率があれば2分の1の日数で年休を付与する。
4.22 イースタン神奈川交通労組 最新ドライブレコーダーの装着。市県民税の納税方法について、労働者が個人で支払う方式を改め、会社が給与から控除する方式(特別徴収)に変更する方向。
4.28 日本交通横浜労組 報奨金として、本採用乗務員に年間1万2000円、シルバー乗務員に年間6000円。
5.9 国際自動車横浜労組 タクシー生産協力金3万円~1万円(1人当たりの原資は2万円で乗務数等により変動)。ハイヤー生産協力金は8月支給分として15万9000円。
12月、4月の支給分は後日回答。
5.26 神奈川都市交通労組 タクシー賃金検討部会の立ち上げ要求に対し、充員対策と働き方改革をテーマにした意見交換会の開催で合意。年休失効分2日以上の労働者に1日当たり1000円の精勤賞(平均4375円)を支給。一時金はハイヤー部門で完全資格者年間平均30万円、非乗務員部門で完全資格者年間平均41万5000円。
不明 日本交通京浜労組 生活改善一時金1万2000円、定時制6000円。

【愛知地連】
3.14 名鉄四日市タクシー労組 賃金現状維持、臨時給は6月に再交渉。
3.18 尾張交通労組 賃金現状維持。
3.23 愛電交通労組 賃金現状維持。
3.23 名鉄名古屋タクシー労組 賃金現状維持。
3.24 名鉄交通労組 賃金現状維持も、フレックス乗務員の歩率を2%アップ。解決一時金として平均1万円。臨時給は6月に再交渉。
3.24 名鉄知多タクシー労組 賃金現状維持。
3.24 名鉄岡崎タクシー労組 賃金現状維持、臨時給は6月再交渉。
4.4 名鉄西部交通労組 賃金現状維持、臨時給は6月再交渉。コロナ対策支援金として一律1万円を支給。
4.11 愛自交 朝日交通分会 賃金現状維持、夜勤手当支給、制服支給、年間厚生費補助。
5.13 愛自交 中川・朝日分会 賃金現状維持。ETC・JP車両増車。子育て支援タクシー等の営業施策確認。

【富山地連】
5.26 高岡交通労組 コロナ禍で、歩合給算出基準額を月・税抜46万円から月・税抜36万円に軽減する措置(昨年から実施)の継続。生活支援金として1人平均1万円支給。ほか付帯要求獲得。

【大阪地連】
4.9 珊瑚交通労組 賃金現状維持。全社員で北陸へ一泊慰安会を実施。
4.30 大阪トンボ交通労組 賃金は現状維持。解決金としてフルタイム1万円、定時制・パート8000円。

【兵庫地連】
5.19 神戸相互タクシー労組 賃金現状維持。

◆自動車教習所◆
5.28 愛自学労・東山分会 ベースアップ3000円。夏季一時金35万円


全自交の山名市議が議会で演説

青森県八戸市は「路線バスおよびタクシー事業継続支援金」として、コロナ禍で事業収入が減少した交通事業者に対し、路線バス1台10万円、タクシー1台5万円の支援金を実施しています。その背景には、全自交青森地連・三八五タクシー労組の組織内議員である山名文世市議の活躍がありました。
山名氏は2月28日、八戸市議会定例会で一般質問に立ち、「公共交通への新型コロナ支援」を求めて演説。「タクシー乗務員はほかの職種にはない変動制賃金です。ほかの職種は売り上げが少なくたって賃金が減るわけじゃないですけれど、タクシーは5万円売上が落ちれば、もろに2万5千円賃金が減ってしまうわけです」とタクシー労働者の思いを代弁。
「旭川市では、新型コロナで心身の負担がかかるということを踏まえ、路線バス、タクシーの乗務員に慰労金を1人2万円支給しています。(地域交通を守るために)こういう取り組みをやっていただきたい」と乗務員への直接支援を要求しました。
また、人口減少、コロナ禍の需要減、燃料費高騰といった要因でバス・タクシー事業の経営が追い詰められ、全国的に廃業や休業、乗務員の離職が相次いでいる状況を実例を挙げて示し、「市民の日常生活や社会経済活動の維持のために」と事業への支援を求めています。
市側は、乗務員への直接支援については、ほかのエッセンシャルワーカーとの兼ね合いなどを理由に慎重な姿勢を示したものの、公共交通への支援には前向きな姿勢を見せ、バス・タクシー事業者への支援を予算化。バス1台当たり10万円、タクシー1台当たり5万円の支援が実現しました。
八戸市議会でタクシー乗務員の苦しさを訴えた
山名文世市議
(全自交青森地連・三八五タクシー労組組織内議員)



東北では、自治体によるタクシーへの支援が再び活性化しています。
岩手県では、全自交岩手地本(森茂委員長)が再三、県や市町村に支援を要請してきた成果もあり、県全体で燃料高騰対策として路線バスに1台4万円、タクシーに1台1万円の支援を補正予算で計上。タクシーを含む中小事業者を対象に盛岡市で1社10万円、一関市で1社20万円の補助が予定されています。
また宮城県でも多賀城市と気仙沼市が燃料高騰対策としてトラック、貸切バス、タクシー、運転代行に購入した燃料1リッター当たり3円の補助を行いました。

宮城地本・嶺岸委員長(左)に、
東北地連の高橋委員長が見舞金を
手渡しました
3月地震で家屋一部損壊8件 宮城地本に見舞金

3月に発生した最大震度6強の福島県沖地震で、全自交宮城地本の組合員にも被害が生じました。新幹線が脱線するほどの揺れの中、幸い人的被害はありませんでしたが、自宅の壁がはがれ落ちたり、玄関が壊れるなど「家屋一部損壊」8件の被害が出ています。
この被害に対し、全自交東北地連は宮城地本に5万円の見舞金を手渡し、全自交本部も同じく5万円の見舞金を届けました。

千葉地連からも

後日、千葉地連(岡里忠委員長)からも2万円の見舞金が宮城地本に届けられました。


兵庫交運ハイタク部会に回答

兵庫県交運労協ハイタク部会(部会長=北坂隆生・全自交兵庫地連委員長)は、5月30日、兵庫県に対して、コロナ禍と燃料高騰で壊滅的被害を受けているタクシーへの支援を要請しました。県側は要請に回答する中で、6月補正予算で新たにタクシー車両1台当たり4千円の燃料高騰対策支援金を準備していることや、昨年に引き続き、空気清浄機の導入補助を継続する方針を示しました。
交渉には、立憲民主党の黒田一美県議が同席。北坂部会長や、成田次雄・同部会事務長、田中滋修・私鉄関西ハイタク労連委員長ら9名が出席し、県側は釜江義明・土木部次長ら5名が応対しました。
要望書の主な内容は、①乗客と運転者への更なる感染防止対策強化の支援(高効率空気清浄機、空気清浄モニターの設置費用の国との協調支援の継続)②公共交通事業継続のための支援(とりわけ燃料高騰対策)③効率的な経済支援(地域クーポンでのタクシー活用)④公共交通機関従事者への支援⑤コロナワクチン輸送やワクチン接種のための移動におけるタクシーの積極的活用の5項目です。
北坂部会長は「コロナと燃料高騰でハイタク産業は大変な状況になっており、そのため、私たちタクシー労働者は困窮状態だ。自治体で何とかタクシーに支援をお願いしたい」と訴えました。
釜江土木部次長が県を代表して、「コロナ禍や燃料高騰で公共交通機関が大変厳しい状況であることを十分認識しており、県民の足として、皆さまが県民生活を支えてくれていることに感謝している。昨年は空気清浄機の設置補助と、台当たりの補助をさせてもらった。今後も、われわれができることを検討していきたい」と述べました。
昨年、兵庫県は空気清浄機設置費用の4分の1を補助。活用実績は6事業者200台分、約170万円でした。感染防止対策として行った台当たり7千円の補助は、250事業者(個人タク含む)、約2千万円の活用実績です。
北坂部会長(中央)と立憲民主党の黒田県議(右)
が、齋藤元彦知事宛ての要請書を県の代表者に
手渡しました


運賃改定の早期実施を要請 「モビ強引に進めない」

東北交運労協ハイタク部会は5月26日、3年ぶりとなる東北運輸局との行政懇談会を行い、岩手県での運賃改定の早期実施や秋田県大館市で進むモビ導入の検証等を要請しました。
懇談会には中川賢一ハイタク部会長以下、労働側8名(うち全自交7名)と運輸局から吉川博幸旅客二課長以下3名が出席。高橋学事務局長(全自交東北地連委員長)が進行役を務め、中川部会長は「夜の飲食街に活気が戻らず歩合給で働くハイタク労働者の生活は厳しいままだ」と訴え、燃料高騰や乗務員の不足と高齢化の厳しい現実を伝えました。吉川課長は「地域公共交通は外出自粛が解除されても回復が遅い。運転者不足・高齢化も認識しており、事故防止を呼び掛け、タクシー事業の健全な発展を促したい」とあいさつしました。
運輸局は、①7割を超えた岩手県の運賃改定申請の迅速審査・早期実施について、「現在、損益明細表の書類審査中で今後、改定の要否判断を行い進める」②定額乗り放題のモビについて、「共創による交通サービスの実証事業として行うようだが、事業者の意見を聞き、強引に進めないよう助言した」③LPG高騰に対する補助について、「第2期分の申請受付を開始した。6月以降も継続して支援する」と回答しました。また、自治体によるタクシー支援の働きかけ強化については、「東北各県で臨時交付金を活用し、6月補正予算で台数に応じた支援策などを進めていると聞いている」と回答。コロナ禍以降、管内の法人タクシー27社、個人61事業者が事業を廃止しており、地域公共交通の存続のためにも直接的支援は不可欠です。全自交東北地連は公共交通存続の危機を乗り越えるため、今後も行政や自治体に対する要請行動を強めていく考えです。
運輸局の説明を聞く全自交東北地連の主要メンバー



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