全国自動車交通労働組合連合会はハイタク産業に従事する労働者で構成する労働組合の連合体です。本ホームページは、どなたでも自由に全てご覧いただけます。


ホーム > ニュース > 2022年1月7日掲載



タクシーこそが地域公共交通の主役に!



溝上 泰央 中央執行委員長 新年のごあいさつ

労働者の先頭で新時代に立ち向かう
政治を変えて運動を前進させよう


新年明けましておめでとうございます。
昨年の大会で中央執行委員長を仰せつかりました東京地連出身の溝上です。
組合員の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお慶びを申し上げます。また日頃、全自交労連の運動に対し御理解・御協力を賜っていることにも、心より感謝申し上げます。
旧年中は、後半になってワクチンの接種の効果か新型コロナウイルス蔓延に一定の収束感を感じられた矢先に、新たにオミクロン株が世界的な広がりをみせ、ブレイクスルー感染も多くまだまだ予断を許さない状況です。
また近年、地震・台風、それにともなう局地的な集中豪雨と、数々の自然災害も日本列島を襲っています。被災された皆様には、お見舞いを申し上げるとともに、命を落とされた方には、心より哀悼の意を捧げたいと思います。
我々、全自交は、被災地の一日も早い復旧・復興に向けて精一杯の取り組みをしていきたいと考えますので、皆様のご理解・ご協力もお願いしておきたいと思います。
政治を振り返れば、昨年の第49回衆議院選挙では、我々の精一杯の取り組みとは裏腹に、大変残念な結果となりました。野党タクシー政策議員連盟の近藤昭一副会長と、泉健太幹事長こそ当選させることが出来ましたが、一方で、議連の会長を務めて頂いていた辻元清美さんと、事務局長の広田一さんが議席を失うといった、まさかの結果でもありました。長年、ハイタク労働者の声を代弁してくれた先生方には、再び国政の場でご活躍されることを望むところであります。

いずれにしても、我々には大変厳しい結果が突き付けられ、新しい資本主義を掲げた岸田政権がスタートしました。「新しい資本主義実現会議」をはじめ5つの会議を設置しましたが、その中でも「デジタル田園都市国家構想実現会議」は要注意で、有識者メンバーにあの竹中平蔵が加わっています。加えて、今回の日本維新の会の台頭で、特区構想を使った新しいモビリティサービスが発生しないように、運動を強化していかなくてはなりません。
我々、ハイタク産業を取り巻く環境は、長期にわたるコロナ禍での緊急事態宣言の繰り返しで一層厳しいものとなっていますが、やはり、政治を変えなければ我々の山積した課題解決も、運動も前進しません。今夏の参議院選挙では、全自交推薦候補者である鬼木まことさんを必ずや当選させ、一石を投じられるように引き続きの取り組みをお願いしておきたいと思います。
嬉しい出来事としては、昨年の統合大会で団結を回復し、関東において大きな組織拡大を果たしました。10年かけて、掛け違えたボタンをもとに戻しました。ご尽力頂いた方々はもちろん、ご理解頂いた組合員の皆様にも感謝を申し上げます。
全国では、自主管理など、都市部では考えられないような状況の中で、雇用を守り、組織を守り、仲間を守る努力を続けています。
我々、全自交は、ハイタク産業の主力産別として、新しい時代に立ち向かい、公共交通を担う労働者にふさわしい賃金・労働条件を実現出来るよう、全国のハイタク労働者の先頭に立って運動を展開していきます。



全自交労連は昨年5月末にKPUと念願の組織統合を果たし、副中央執行委員長を4名から7名に増強。
10月の定期大会では、溝上泰央新委員長をはじめとする新役員体制がスタートしました。新たに全自交運動を牽引する正副の中央執行委員長はどのような人で、どのように地域の課題に向き合うのか。4つの質問をぶつけてみました。

 【4つの質問】
①地域の重点課題について教えて下さい
②在任中特に取り組みたいことや今年の抱負は
③ 委員長、副委員長はどんな人ですか(好きなこと嫌いなこと、趣味、組合活動での思い出等)
④組合員さんに一言

溝上泰央委員長
関東ブロック 東京地連
自分の目で現場を

①全国共通の課題は都市部と地方部の格差だと感じています。静岡の伊豆箱根交通ではアニメのラッピングタクシーを運行し、10万円以上利用されるお客さんがついていると聞きました。その車で東京のライブ会場に乗り付けるとヒーローになるそうです。アニメに限らず各地域の特色を生かした需要喚起ができれば。動かない経営者も多くいますが、やってみることが重要です。
②私のポリシーは「自分の目で仲間の働く職場を見に行く」こと。任期中に必ず1回は各職場の現場に足を運びたいと思っています。
③ 26 歳からタクシーに乗ってきて広い視点に欠けているかもしれません。ただ、それを引け目に感じるのではなく、世の中を広く見るよう心がけながら、言いたいことは言っていきたいと思っています。
許せないのは「理不尽なこと」。竹中平蔵のように平気な顔で人や社会を食い物にするような存在を許さず、普通に働いて暮らせる世の中にしなければなりません。
趣味は車で、約20年前はサーキットで草レースを走っていたこともあります。当時「いつかは四社カラーのタクシーでサーキットを走ってみたい」と思っていました。
お酒は体質的に一滴も飲めませんが、懇親会には積極的に参加させていただきます。
④組合員の皆さんには、ハイタクや自教が世の中に必要で重要な仕事だと誇りをもって働いてほしいと願います。それにふさわしい労働条件を獲得するために全力を尽くします。


明けない夜はない

①新型コロナとの長期の闘いの中で年が明け、東北の現状はまさに交通崩壊をくい止めることが最重要課題となっています。
②今年はこの危機を労働組合の団結力で乗り越える年にしたいと強く願っています。コロナが明け需要が回復した時にタクシー職場や乗務員がしっかり残っていることが地域公共交通の将来にとっての大前提です。地域密着のタクシーこそ生活交通の主力を担うべき時だと感じます。タクシーの公共性を社会に訴え、国や自治体の責任を問い、働く仲間が誇りを持ち安心して生活できる環境を作っていきたいと思います。
③私は1964年に山形で生まれ、秋田に移住してからタクシー労働者となりました。映画と読書が趣味ですが、桜や紅葉の季節は写真を撮ることに燃えています。みんなの要求が団体交渉やストライキで実現していく事に組合の存在意義を感じ組合員になりました。規制緩和の波が押し寄せ一気に厳しさが増していきましたが、志のある組合の仲間と介護タクシーに挑戦し、当初は賃金が5万円以上アップしたことを憶えています。
地連や本部の役員になってからは争議に次ぐ争議で労働委員会と裁判闘争が続きました。いつしか倒産対策が多くなり、12社程の自主経営会社の立ち上げに関わらせて頂いたことは幸運だったと思います。中でも2人の女性社長が生まれリーダーシップを発揮して仲間をまとめていることが印象的です。
④組合員の皆さんに呼びかけたいことは「自分の苦境を言葉にできるのは自分だけ」であり、活発な討論こそが労働組合の生命力、そして組織の腐敗を防止する力ということです。「明けない夜」はなく「やまない雨」もありません。仲間と共にコロナを乗り越え、未来を創っていきましょう。
「意志あるところに道は開ける」のですから。握手。
高橋学副委員長
東北ブロック 秋田地連


見須一隆副委員長
関東ブロック 東京地連
諦めないことが信条

①東京でも都心と多摩の3交通圏はそれぞれ働き方も違い、多くの問題があります。その問題解決には組合員の声が大事で、出来る限り多くの職場を訪問することが解決への近道だと考えています。
②タクシーが公共交通の役割を果たせるよう、行政に働きかけたいと思います。駅前再開発のような地域の問題に対応するには市役所や自治体議員とのパイプが重要です。後継の人材を育てることにもしっかり取り組みます。
③私は、東京の田舎、八王子で生まれ育ち、職場も地元で、他の地域はわからないことだらけです。趣味は、中学生のころからのアマチュア無線ですが今は無線機集めになってしまっています。人前で話すことや人に会うことが一番苦手ですが、何事も絶対に諦めないで行うことが信条です。
組合活動では、支部の選挙が新婚旅行中にあり、帰ってきたら推薦され当選となっていました。それ以来37年間、組合員と役員に守られて、役員をさせて頂いています。
④今の状況に負けずに、諦めないで希望の持てる年にしていきましょう。


東京は課題が山積

①東京は全国の発信地ですが、「コロナ感染対策」「エリア定額乗り放題」「ダイナミックプライシング」と問題だらけ。単組でも「労働協約の再締結」「賃金改定」「乗務員不足」「一時金の維持」等、課題が山積しています。
②在任中は組織の維持発展と本部財政の立て直しに取り組みたいと考えています。
③東京都大田区の生まれですが、小学校2年から今まで千葉の東葛地区に住んでいます。好きなことは中央競馬鑑賞で、特に思い出深いのはトウカイテイオーの雄姿。
野球を見ることも好きで、MLBの大谷君にはまっています。逆に嫌いなことは、問題が山積みで忙しいこと。今の状態ですね(笑)。
思想信条はリベラルで、座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。組合には、前の支部長に誘われたことがきっかけで加入しました。
④コロナ禍を乗り越えまた一緒に楽しく仕事しましょう。
森合剛副委員長
関東ブロック 東京地連


掛川正一副委員長
関東ブロック 東京地連
苦しい時こそ団結を

①東京の課題は、早急な運賃改定。また、ダイナミックプライシングや、実証実験で参入をもくろむウィラーの動向はしっかり注視する必要があります。ライドシェア参入を阻止する運動や、改正タクシー特措法を実効性あるものにする運動を引き続き進めて行かなければなりません。ただ反対するのではなく、しっかりと公共交通機関としてお客さまの利便性を確保し、選ばれるタクシーにすることがわれわれの責務です。
②若い世代にも選ばれる魅力ある業界にしていきたいと思っています。連合体としては、大手中心の意見が強くなりがちですが、中小組合の意見も良く聞きながら力を合わせて労連運動を進めて行かなければなりません。
③東京都生まれ千葉県在住61歳です。35歳の時に業界に入り、タクシー8年、ハイヤー18年目となりました。私の信条は「努力は必ず報われる」。小さな努力や気遣いの積み重ねを惜しまずに行動したいと心がけています。
この仕事で印象に残ることは、仕事終わりの冬の始発電車の空気感や雰囲気。人の流れとは反対へ乗る電車内での居眠りの心地良さ、疲れた体をホンワカさせてくれる時間。家族の生活とは逆になりますが、自由な時間が多く取れ子供たちの成長を見守る事が出来たことに感謝しています。
ハイヤー乗務員の頃、子供の進学など大変な時期に、家に帰れない日々が続きましたが、お客さまに恵まれ家族の理解も得られ、なんとかその時期を脱する事ができました。
④コロナで収入は減少し生活は苦しい。こんな時だからこそ、団結を強固に、皆で力を合わせ乗り切りましょう。



優良な職場に公助を

①地方公共交通の問題点について、行政に申し入れをしなくてはなりません。収益の合わない仕事には公的補助が必要です。全ての会社にではなく、きちんと公共交通を守っている会社に賃金の補填をという考えです。一見、歩合給が高く見えても社会保険料を払っていないような悪質事業者は排除し、公共交通を守る事業者を残して、賃金を上げる。そういう方向で運動しています。
②役員になった時から、わかりやすい組合運営を心掛けてきました。例えば、上部団体に組合費の何パーセントを払っているかも包み隠さず説明し、同時に上部団体の重要性や必要性を理解してもらえるように。新しいタクシー事業法も、全自交労連単体ではできませんから、交運労協のようなつながりは重要です。
③出身は宮城県登米市。20代のころはオートバイの「NSR250」をレース用に改造しサーキットで走っていたこともありました。
自分の考え方は「選ばれた人は後押しする」こと。何かを決めるまでにいろんな意見を言うことは良いのですが、皆で決めたことに反対するのはおかしいと思っています。
座右の銘ではないですが、実家にある「堪忍」と書かれた額を見て育ちました。実は祖父が戦後に東京駅で屋根の工事をした時、代金が支払われず、代わりによこされたのが「堪忍」の額だったという裏話を最近聞き「なんじゃそりゃ」と思いましたが。
④団結して、この困難な状況を乗り切りましょう。
水野潔副委員長
関東ブロック 神奈川地連


本田有副委員長
中部ブロック 愛知地連
全自交の旗を守る

①中部地連には7地連が加盟していますが、国土交通省の管轄も交運労協も、中部と北陸・信越に分かれており、地域ごとの課題をいかに明確にできるかが課題です。
最低賃金法違反を繰り返す悪質事業者への対応や、運転代行業者の白タク、下限割れ運賃や不当なダンピング、配車アプリ以外にも展開しようとする、『mobi』や『nearMe』といった新たなプラットフォーマーへの対応。また自主管理運営や自教組織の存在、そして組合員が減少する中でいかに組織を維持し運動を継続していくか。
全自交労連が課題とする事項の殆どを抱えるこの地域で、地域ごとの課題にあった運動を展開するためにも、中部地連の仲間同士の更なる一体感の醸成が必要です。
②昨年、念願だった静岡ハイタク連合会の中部地連加盟が実現しました。今後は中部運輸局や中部交運労協での要求行動に一体で取り組み、全自交中部地連としての行政交渉も実施していきます。
また、各地連が抱える組織継続の問題にも今まで以上に積極的に関わり、各地の全自交の旗を守り、組織維持・拡大に取り組みます。
③私は平凡な人間で好きな言葉は「是々非々」。ただ若い時は血気盛んで、野球、サッカー、スノボー、ウエイクボード、パラグライダーのそれぞれで骨折を経験しました。
④コロナ不況により賃金は激減し、感染リスクを抱えながら、公共交通従事者としての使命を必死で果たし続けて頂いていることに、ただただ感謝致します。これまでの皆さんの我慢が無駄にならぬよう、これからも安心して働き続けられるよう、全自交運動に邁進してまいります。


政治への関心高めたい

①衆議院選挙で維新の会が議席を伸ばした結果を受け、これまで以上に政治に関する活動を強化し、現場の組合員さんの関心をもっと高めたいと思います。政治が変わらなければハイタク産業はどんどん追いやられ、大阪メトロのAIオンデマンドバスがタクシーの仕事を奪うようなことも起きています。維新の会は新自由主義の規制緩和論者であり、安全を担保する法律や規制が破壊される懸念も強い。ただ自分たちからも動かなくては。移動困難地域では、自治体の求めに対し、どんどん業界が手を挙げて、タクシーにできることを考え、進めなければなりません。
②加盟単組の報告に基づいて課題を共有し、充分な意見交換を行って対策に取り組みたいと考えています。労働者を犠牲にして生き残りを図る事業者にはしっかりと点検監視活動に取り組み、引き続き国や自治体に対してハイタク産業と労働者の実情を訴えていきます。
③神戸生まれの神戸育ち。阪神大震災の時、職場の仲間と会社の再生に向けて取り組んでいたら、自然と労働組合に引き込まれる形になりました。よく話す言葉は「為せば成る」。一生懸命がんばっていればそれなりの形や結果が出ます。なかには「成らん」こともあるけれど、あきらめず続けることが大事。ライドシェアなどはまさにそうで、常に発信し続けなければなりません。好きなことは釣りです。最近は船が多いが、渓流も含めて釣りならどこでも。
④全自交として各地の課題を共有し、みんなで取り組む姿勢を見せていきたい。
北坂隆生副委員長
関西ブロック 兵庫地連


指定に同意し、労働条件改善を

改正タクシー適正化・活性化特別措置法の、新たな「特定地域」の候補に、全国で38営業区域が該当していることがわかりました=表。コロナ禍の減収を反映し、主要地域の大半が供給過剰と見なされた結果です。
今後、特定地域指定に対し同意、不同意を決める手続きが各地で進みます。事業者は、強制力のある需給調整を嫌い、不同意に傾くことが強く懸念されますが、コロナ禍で落ち込んだタクシー運転者の賃金・労働条件を回復するためには、特定地域となって需給調整を行うしかありません。ましてや、感染再拡大や新しい生活様式で需要自体が戻らない可能性も考慮すれば、今こそ、需給調整が必要です。
業界の求めで成立した特措法を業界自らが空文化させるような恥知らずの行為が続けば、今後タクシー業界が助けを求めても誰も聞く耳をもたなくなるでしょう。全自交労連は各地で指定同意に向けた運動を展開します。



迷惑被害の有無ハイタクが最多

交運労協は、交通運輸産業で働く労働者に対する、利用者からの迷惑行為(カスタマーハラスメント)の実態調査を行い、昨年12月10日に記者会見で結果を公表しました。詳細な結果は交運労協のホームページから見ることができます。
直近2年以内に迷惑行為を受けたことがある労働者の割合は、全交通モードの中でハイタクが最も高く、58%。全体の平均は47%でした。ハイタクの特徴として迷惑客の年齢層は30、40歳台が最も多く、電車やバスの迷惑客(50、60歳代が最多)より若いこと、対策を取っている会社の割合が少ないことなども明らかとなっています。


「交通崩壊」阻止へ自治体要請強化

全自交東北地連は12月9日、コンフォートホテル仙台西口で第47回定期大会を開き、新年度の活動方針・予算・役員体制を決定しました。三役体制では、江良實執行委員長が書記長となり、新委員長に高橋学氏(全自交労連副委員長)が就任。副委員長には遠藤栄二山形地連委員長が就きました。
大会議長に宮城地本の大沼富士雄代議員を選出し、代表あいさつで江良實委員長は「コロナ危機が長期化しているが組合の役割は増しており、結束して運動を進めて行こう」とあいさつしました。活動報告と決算報告を承認するとともに、「交通崩壊」を阻止するための自治体要請行動を強化し、コロナ危機を突破する活動方針と予算を討議の上、決定しました。
東北交運労協の行政懇談会で
発言する高橋東北地連委員長
東北地連大会。感染症を考慮し
少人数で開催
東北交運が行政懇談会

東北交運労協は12月10日、「ハーネル仙台」で第32回東北地方運輸行政懇談会を実施し、東北運輸局と意見交換を行いました。東北交運労協の小池議長は「コロナの影響が長期化する中、燃料費も高騰し経営基盤を圧迫している。キーワーカーとして働く労働者の待遇につながる政策が必要」と訴えました。東北運輸局の田中局長は「皆さんは命と暮らしを支えるインフラ産業で働くエッセンシャルワーカーである」との考えを示しました。
質疑では全自交東北地連の高橋委員長が、①特定地域の解除と準特定地域での協議会開催が滞っている問題、②極度に疲弊するタクシー産業での運賃改定の必要性、③運転者登録制度の運用に対する支援を訴えました。運輸局からは地域協議会の開催を促していく旨の回答がなされました。


要請行動に成果あり

全自交兵庫地連は、11月20日に第51回定期大会を神戸市教育会館で開催しました。新型コロナで危機的状況にあるハイタク労働者の命と生活と雇用を守る取り組みと、ライドシェア導入阻止を目指す新年度運動方針案、予算案などを承認し、北坂隆生委員長、成田次雄書記長ら現執行部全員を再任しました。
北坂委員長は「コロナ禍で鉄道やバス、トラックも大変な状況だが、労働者の賃金が極端に下がることはない。タクシーの場合は、歩合給中心なので営収が5割落ち込めば賃金も5割以下に落ち込む」と厳しい状況を語りました。
兵庫地連が取り組んだ兵庫県と県内各市への要請行動について、「県でも市でもタクシー事業への助成を獲得し、一定の成果が表れた。ハイタク産業が回復するまで、要請行動を続けていきたい」と述べました。
来賓として全自交労連の溝上泰央委員長らが出席し、連帯のあいさつを述べました。
北坂委員長ら執行部全員を再任


維新との政策闘争を重視

全自交大阪地連は11月21日大阪市中央区・エルおおさかで第76回定期大会を開催し、コロナ禍への対応と、AIオンデマンド交通導入反対を軸とした新年度運動方針を全会一致で決定しました。
冒頭、橋口学委員長は衆議院選挙で、辻元清美タクシー議連会長を落選させてしまったことの重大さを強調し、維新勢力の拡大で新たな規制緩和への恐れが高まったとして、大阪における政策闘争の重要性を強調。松井一郎大阪市長が全市に導入を公言しているAIオンデマンド交通について「市内中心部の北区・福島区でも実証実験をすることが決まっており、地域公共交通会議以外にも、全自交大阪地連として反対運動が必要だ」と述べました。
大会には労連本部の溝上泰央委員長や、辻元清美前衆院議員らが来賓出席しました。
力強くこぶしを突き上げる橋口委員長



兵庫地連加古川タクシー労組
溝上泰央全自交中央執行委員長は、兵庫地連、大阪地連の大会に出席した機会を生かし、両地連の役員とともに加盟単組の事務所4ヵ所を訪れました。溝上委員長からの強い要望で実現したもので、主にコロナ禍で苦しむタクシーの労使間の課題について単組役員や経営者と意見交換をしました。
溝上委員長は11月21日に兵庫地連の加古川タクシー労組、翌22日に大阪地連の全相互タクシー労組、新大阪タクシー労組の事務所を訪問。

大阪地連オブ加盟のナショナルタクシー労組
大阪地連オブザーバー加盟のナショナルタクシー労組では9月に東京の日本交通が経営母体となり労務管理が厳しくなったという報告もありましたが、日交労の委員長でもある溝上氏は「東京でも最初は組合員から反発が多かった。しかし今では安心安全な『選ばれるタクシー』になり、個々の組合員の売上が増大している」と経験を話し、「ぜひ、全自交に正式加盟していただき一緒に頑張ろう」と激励しました。


高知地連大会も開催

四国ハイタク労連は11月14日、高知市の自由民権記念館で第51回定期大会を開き、愛媛・高知・香川から代議員が出席して新年度運動方針を決定しました。傍士帯夫委員長はコロナ禍の影響について「休業補償をしっかり払わせ、危険手当の支給も求めよう」と呼びかけ、自主経営に踏み出した愛媛県新居浜市の駅前タクシー分会にエールを送りました。
各県からは、11月以降、昼の輸送が回復基調にあることが報告されました。また、駅前分会の松下代議員がカンパに対するお礼を述べました。
同日、四国の大会に先立ち、同じ会場で全自交高知地本が第58回定期大会を開き、新年度運動方針を確立しました。傍士委員長は「高知県はコロナ感染者が少なく回復に向かう兆しがあり、観光客も入ってきている」と述べ、「変動運賃制度の導入は利用者とのトラブルが予想される。反対しよう」と呼びかけました。また「歩合給では人が入ってこない。生活が安定するA型賃金をめざそう」と訴え、さらに地域協議会が開かれない状況に苦言を呈しました。
両大会には、全自交本部の高橋学副委員長、野尻雅人書記次長が駆けつけ、自治体支援の重要性等を訴える連帯のあいさつを行いました。



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