全国自動車交通労働組合連合会はハイタク産業に従事する労働者で構成する労働組合の連合体です。本ホームページは、どなたでも自由に全てご覧いただけます。


ホーム > ニュース > 2019年12月25日掲載






はじめに

【年収格差を是正し、公共交通労働者にふさわしい賃金を確立しよう】

ハイタク労働者は、タクシー規制緩和以来の競争激化による賃金の大幅下落により厳しい生活を余儀なくされてきた上、他産業より依然として210万円(2018年・厚労省調査・全国加重平均)も年収が低く、ハイタク労働者の労働条件改善は今や乗務員確保の点からも急務であり、2020春闘では、他産業との格差是正と地域の公共交通を現場で担う労働者にふさわしい労働条件を求めて闘います。
日本の労働力は、1980年代までは約80%が正社員で占められ、非正規社員は20%台にとどまっていましたが、1990年代のバブル崩壊後に、正社員がリストラされ、低賃金のパート、契約社員や派遣労働者に置き換える動きが拡大したことによって、非正規社員の割合が上昇し、今や日本の労働力の約40%を非正規社員が占める状況になっています。定年退職後も非正規社員として働く高齢者の増加もその要因となっていますが、若者の非正規労働者の内、「やむなく非正規」で働かざるを得ない割合が約30%を占めている点にその深刻さが示されています。
消費税が10 月1日から10%に引き上げられ、デフレ脱却の道はますます遠のいています。今こそ金権腐敗を深める安倍政権を打倒し、消費税減税・廃止、富裕層と大企業増税(所得税・法人税増)、社会保障拡充、正規雇用拡大、大幅賃上げに舵を切る政策転換が求められています。

【労働条件を整備し、働く者に魅力あるタクシー産業に】

タクシーの安全輸送と良質なサービスや「仕事への誇り」を維持するためにも、家族を養える賃金水準を早急に確立し、賃金体系や勤務シフトの改革を進め、若年者や女性にとって魅力ある労働条件として整備しなければなりません。2020春闘では、定年まで安定して働ける「生涯職場」となるよう、安定雇用と退職金制度の充実にも全力をあげます。
厚生労働省が発表した10月分の有効求人倍率は1・57倍で、「自動車運転」が3倍を超えています。これほどの人手不足にもかかわらず、タクシー職場が選ばれず、乗務員の不足が深刻化しています。
タクシー労働者の平均年齢も調査以来、初めて60歳を超え、他産業との平均年齢比較では17歳も高く、地方においては年金受給の高齢者が主力となっている職場も珍しくありません。女性ドライバー比率も3%に満たない状況にあり、賃金水準や長時間労働の是正など若年者や女性が働きやすい職場環境を整備しなければ乗務員を確保することも困難になります。

【乗務員確保のため、長時間労働是正に向けた着実な取り組みを進めよう】

タクシー職場が敬遠される要因は、賃金の低さだけでなく、慢性的な長時間労働にあります。乗務員を確保するためにも長時間労働を是正し、効率的な勤務の在り方や事情に応じた働き方ができる環境づくりが求められています。
時間外労働の上限規制が罰則付きで導入されましたが、自動車運転業務については施行から5年後に、一般則ではなく「年960時間・月平均80時間」の上限規制が導入されることとなりました。労働組合として36協定の締結時に長時間労働の是正に向けて努力することが求められます。
時間外労働が、一般側の上限の原則とされる「月45時間、年360時間」以内になるよう求めるとともに、「改善基準告示」の改正に向け、総拘束時間の短縮や11時間以上のインターバルの確保に取り組みます。

【白タク・「ライドシェア」合法化許さず、バス・タクシーが地域交通の主力に】

2020春闘は、労働条件改善の闘いとともに、タクシーと公共交通の産業基盤を破壊する「ライドシェア」導入を絶対に阻止し、バス・タクシーが地域交通の主力に位置付けられるよう、政策闘争を「車の両輪」として推進します。
訪日外国人を相手に違法な観光白タクが拡大し、警察の取締りも強化されていますが、まだまだ不十分です。また、実費のほかに謝礼を求めるCREW(クルー)などの白タク行為も拡大していますが、白タク行為として摘発していかなければなりません。
東京五輪を2020年に控え、「ライドシェア」の合法化に向け、「未来投資会議」や「国家戦略特区」を活用して「ライドシェア」の導入をもくろむ動きも強まっており、絶対に阻止していかなければなりません。
また、海外のライドシェア企業であるウーバーと滴滴(ディディ)がタクシー配車という形態でその営業区域を拡大していることに警戒が必要です。さらに、路線バスもタクシーもない交通空白地で自家用車を使った有償運送を「ライドシェア」と称して取り入れる自治体が増えかねない状況です。「過疎地で(規制に)風穴をあけ、大都市部で展開する」という流れを断ち切ることが求められます。


Ⅰ春闘を取り巻く情勢

【世界経済】

10月にIMFは「世界経済見通し」を発表し、世界経済は各国で成長の同時減速を続けていると指摘し、2019年の成長率を下方修正し、世界金融危機以降で最も低い3・0%と予想。イギリスのEU離脱問題と米中貿易摩擦の激化や地政学的な緊張の高まりが経済活動に更なる混乱をもたらしかねず、結果として、金融の混乱に言及するとともに、先進国の低インフレ状態が長期化し、金融政策がより狭まるリスクを上げています。成長率の下方修正が最も大幅だった地域は、香港、韓国、シンガポールなどアジアの先進国・地域でした。また、2020年には上向くとしていますが、成長回復は裾野が狭く心もとないものとなると予想しています。
世界は米国の没落、中国の台頭など新たなパワーバランスの時代を迎える中、トランプ政権の「米国第一主義」「力による平和」を掲げた秩序破壊的な貿易戦争とイランに対する経済制裁発動が世界経済に負の影響を及ぼしているとともに、イギリスのEU離脱問題、香港での民主化を求めるデモの激化、気候変動への対応も世界経済の不透明感を増す要因です。

【日本経済】

7~9月期の実質GDP(物価変動を加味した国内総生産)の成長率は、所得が増えず、個人消費の伸びが小さく、低成長となりました。消費税増税前の駆け込み需要が発生した中での低成長は、個人消費の基調が予想以上に弱いことを示しています。10月の消費税増税後は、駆け込み需要の反動が生じるのに加え、増税による家計負担の増加も重荷となることで、大幅な落ち込みが懸念されます。
このように、GDPの約60%を占める個人消費の弱さが浮き彫りとなっており、この間の労働分配率の低下や社会保障負担・税負担の増加などによる可処分所得の低迷が個人消費を押し下げるとともに、米中貿易戦争の激化と中国経済の減速懸念を背景に外需が停滞する可能性もあり、東京五輪が終了した後は、景気の落ち込みが増幅され、輸出の低迷が続けば「内外需総崩れ」となるリスクにさらされます。下がり続けた労働分配率を改善して、継続的な賃上げを行い、個人消費を飛躍的に回復させる事が求められます。

【雇用情勢】

「労働力調査」によると、正規労働者は前年同月比で4万人増加した一方、非正規労働者は40万人増加。雇用者に占める非正規労働者の割合も38・4%に達しています。完全失業者は164万人で前年同月比で1万人増加し、完全失業率も2・4%となっています。
10月の有効求人倍率(季節調整値)が前月を上回る1・57倍で、労働力不足が続いています。「自動車運転の職業」3・15倍で、平均値を大きく上回っており、深刻な運転者不足が続いています。

【勤労者の生活実態】

「国民生活基礎調査の概況」(最新版・2018年)では2017年の世帯所得は平均551.6万円で、前年を下回り、過去最高だった1994年の664. 2万円よりは112.6万円も低下しています。300万円台以下の世帯が47・2%を占め、前年より増加しています。2018年の生活意識については、「大変苦しい」(24・4%)と「やや苦しい」(33・3%)の合計が57・7%にのぼっており国民の生活の苦しさが増している現状にあります。


Ⅱ.ハイタク産業の動向

【ハイタク事業の現状】
●全国の法人タクシー車両数は18万6247台(前年比▲2545台)。輸送人員は13億7千万人▲841万人)。営業収入は1兆4千億円(前年比▲132億円)。日車営収は3万891円(前年比+766円・9年連続改善)となっています。

【特徴的な産業動向】
●訪日外国人を対象とした白タク違法行為は全国に広がってきています。警察の取締りと摘発や地方運輸局による実態調査なども行われ、多くの逮捕者も出ていますが、引き続き啓発活動と取締りを強化しなければなりません。また、アジット社のCREWは、利用者に謝礼の支払いを求めることで成り立っている、明らかな白タク違法行為です。運輸当局の実態調査と違法行為の摘発を強く求めます。

● ウーバーと滴滴(ディディ)は、「迎車料金無料(東京)」「スマート帰宅忘年会(20時~22時・2割引き)」のキャンペーンを行うなど、秩序破壊的な運賃無料・割引等のキャンペーンによる顧客囲い込みを行い、全国に拡大しています。タクシー会社と提携した配車サービスの開始は、日本でのライドシェア解禁に向けた布石であることは明白であり、「庇(ひさし)を貸して母屋を取られる」ことにならないよう、安易な提携の拡大に警戒が必要です。

●地方での自動車依存が高いことやドライバーの人手不足が深刻化していることを指摘し、自家用有償運送の見直し(規制緩和)が進められようとしています。この中で実施主体をタクシー会社にも広げ、輸送対象も観光客まで拡大するとともに、交通空白地を過疎地に限らず、期間・区域・利用対象者など様々な側面から捉えるよう求め、「交通空白地」の定義を拡大させる内容です。そもそも自家用有償旅客運送は「公共交通により難い場合の例外措置」であるというのが原則であり、まず何より安全規制がしっかり課されているタクシーの活用について十分に検討されることが必要です。

●「規制改革会議」の介入で特定地域の指定が大幅に減少させられるとともに、低運賃事業者の裁判により一定の地域で公定幅運賃の下限見直しが行われることとなりました。また、公正取引委員会が台数削減の協議に対しても独禁法違反と主張して介入を強めてきた結果、特定地域においても実効性ある運用が阻害されてきました。特定地域は全国631営業区域のうち、22地域しか指定されていません。準特定地域は現在108地域となっています。人口要件などの不当な指定基準により、対策が必要な地域が特定地域に指定されないなど、改正タクシー特措法の趣旨・目的が運用面で骨抜きにされているのが現状です。「全国的・恒常的」な対策を可能とする「タクシー事業法(仮称)」の制定が必要です。

●経営環境の悪化と乗務員の労働条件改善を理由に全国99運賃ブロックの内、48運賃ブロックで10 月1日からの消費税増税に合わせて予定していた運賃改定が、2%の増税分の単純転嫁しか認められず、事業環境の改善分の反映は継続審査となりました。今回の運賃改定は労働条件改善の原資を含んでおり、労働条件改善を遠のかせることとなる今回の継続審査の決定は、春闘にも影響が出かねず、強く批判しなければなりません。速やかに運賃改定を認可するよう強く働きかけます。


Ⅲ.春闘の取り組みの基調

❶公共交通の労働者の誇りを持てる賃金に改善しよう!
安倍政権下の富裕層・大企業優遇政策で労働者の可処分所得と実質賃金は低下し、労働者の生活は困難さを増しています。2020春闘こそ、全ての職場で要求を掲げ、積極的交渉で大幅な賃上げを実現しなければなりません。労働者が誇りを持てる労働条件を確立することが必要です。公共交通労働者にふさわしい賃金水準を求めて取り組みを進めます。

❷他産業との格差を是正し、若者にも魅力のある労働条件を!
年収格差と長時間労働にさらされていながら生活が維持できない労働条件を背負わされているタクシー労働者の厳しい現状を全力で突破し、乗務員をしっかり確保できる、魅力ある労働条件を確立する必要があります。

❸違法白タク排除!白タク・「ライドシェア」合法化阻止!
地域住民の生活を支えるタクシーに生まれ変わろう!

❹「ブラック企業」を追い出し、適正需給・適正運賃の確立へ

❺全ての職場で積極交渉!その成果を組織拡大に


Ⅳ.賃金・労働条件改善の要求

乗務員賃金の特徴は、賃金体系が歩合給(出来高給)に過度に依存し、不安定な賃金体系の下で安全運転を最優先としつつ、売り上げの確保に対する多大なストレスを受けることにあります。経営者は、運送収入が低下するリスクを労働者に負わせ、安定した収益を求めてきました。こうしたあり方は、事業者の経営モラルを低下させ、本来は事業者責任で負担すべき設備費用を運転者に負担させることも全国で拡大してきました。同時に法令遵守の精神が蝕まれ、労基法違反、最低賃金法違反、改善基準違反が後を絶たない状況です。私たちは、こうした状況を早急に改善し、固定給中心で家族を養い生計を立てられる賃金水準を実現するとともに、若年者や女性に魅力ある労働条件を創り出し、重要な公共交通を担う労働者としての誇りを取り戻せる状況を作り出すために努力します。



●2020春闘の賃金要求
1.改正タクシー特措法の施行時の国会附帯決議である、①累進歩合の廃止、②固定給と歩合給のバランスの取れた給与体系の再構築、③運転者負担の見直し、④過度な遠距離割引の是正、⑤過労防止対策の推進、を完全に履行させ、公共交通を担う労働者にふさわしい労働条件を築くために全力をあげます。
2.賃金の統一要求は生活維持分と賃金回復分として月額1万円を要求します。また、他産業との格差是正分として、一時金の改善や退職金制度の新設・改善等を要求します。
3.年10日以上の有給休暇が付与されている労働者に対し、年5日以上有給休暇を取得させます。
4.運転者最低賃金の創設に向けて、地域最低賃金時間額+200円以上の企業内最低賃金を要求します。
5.雇用形態の違いによる差別がないよう、「同一労働・同一賃金」の原則の下、正社員と同じ業務内容である場合は、嘱託等の雇用形態にかかわらず、正社員と同一の賃金とすることを求めます。
6.ハイタクA型賃金と観光バスの一時金獲得目標は年間100万円とします。
7.退職金は、現行の退職金制度を維持し、支給額の上積みを要求します。退職金制度が無い職場では新たな退職金制度の創設をはかります。
8.長時間労働の是正に向けて、時間外労働の上限を「月45時間かつ年360時間」とするよう求めます。同時に、時間外労働の削減により給与総額の低下を招かないよう、効率的な勤務時間と休日の設定及び所定内賃金の時間単価(歩合給については支給歩合率)の引き上げを求めます。また、連続勤務(日勤勤務)の勤務間インターバルについて、11時間を求めます。
9.事業の休止・廃止や譲渡など、雇用・労働条件にかかわる経営方針の変更については、労働組合と事前に協議し、同意を得てから実行するよう協定します。
2.A型賃金の再確立と法違反の一掃(略)



Ⅴ.ハイタク産業の基盤を守り活性化する政策要求

【訪日客の白タクとCREWの摘発とライドシェア阻止】

❶訪日中国人観光客が増加する中、在日中国人等がスマートフォンアプリを使用し、無許可で有償送迎する「中国式白タク」が国内の港や主要空港で横行しており、訪日観光客に対し、許可を得ない自家用車による有償運送が「白タク」として禁止されていることを周知徹底するとともに、関係機関による対策会議の設置や実態調査の実施を全国的に行うとともに、監視・摘発・取り締まりを強化し、違法な白タク行為を一掃すること。
また、東京都内で「任意の謝礼」を求め、事実上、違法な白タクの疑いがある事業を展開するCREWについての監視を強め、違法性が確認された場合は、営業を認めないこと。
❷いわゆる「ライドシェア」は二種免許や運行管理、車両管理を不要とし、事故のリスクも運転者個人に負わせることから、輸送の安全と利用者の保護を著しく低下させることは明らかです。また、運転者は請負業とされ雇用関係が認められないことから 労働者の基本的権利をはく奪されて働くこととなり、労働の面からも問題です。さらに、公共交通のような持続可能性のある輸送サービスを安定的に提供することが困難 であることから、こうした「ライドシェア」の合法化を国家戦略特区や「規制のサンドボックス制度」の実証としても認めないこと。

【タクシー適正化の推進と悪質事業者への処分強化】

タクシー産業の再生と労働条件の向上を目的に改正タクシー特措法が施行されましたが、規制改革会議や公正取引委員会が特定地域の指定と適正車両数実現の計画に対し異を唱えるとともに、悪質な低運賃事業者が運賃裁判に訴えたことにより、台数・運賃の適正化が不十分なものとなってしまいました。
公定幅運賃の下限見直し措置が取られた地域では新たな低運賃競争が勃発し経営基盤と労働環境を悪化させています。特定・準特定地域の解除も徐々に進んでおり、台数と運賃の両面で適正化対策の限界が露呈しています。指定基準の見直しが早急に必要な状況です。
❶消費税の増税と合わせて運賃改定を予定した地域について、国土交通省は増税分の転嫁しか認めず、継続審査としましたが、労働条件の改善原資を含む運賃改定であることから、審査期間を極力短縮し、速やかに認可すること。
❷特定地域及び準特定地域の指定基準を見直し、労働条件が低下し対策が必要な地域が特定地域に指定され適正需給の確立等の必要な対策がとれるようにすること。
また、特定・準特定地域でとられた対策の効果を総合的に検証し、労働環境の改善に向けた取り組みの現状を調査・報告すること。
❸公定幅運賃制度を全ての地域にも適用するとともに、適正な人件費が確保でき、利用者にも分りやすい地域統一の運賃となるよう、その下限運賃や運賃幅について適正化を図ること。また、過度な遠距離割引の是正に尽力すること。
❹タクシー事業場の法令違反を一掃するために、関係省庁連携の下、監査・指導体制の充実強化をはかること。また、法令違反を繰り返す事業者については、厳正に処分すること。

【労働条件改善、労基法違反の一掃に向けた政策要求】

❶改正タクシー特措法成立時の国会附帯決議の通り、固定給と歩合給のバランスの取れた賃金体系の再構築、累進歩合制度の廃止、運転者負担の見直し、過度な遠距離割引運賃の是正等、賃金制度を改善するよう、全事業者を強力に指導すること。
❷他産業と比較して長時間労働にあるタクシー労働者の働き方について見直しを指導し、長時間労働の是正や休日の増加がはかられるよう働きかけを強めること。
また、長時間労働是正の観点から「改善基準告示」を見直すこと。
❸労働行政は、労働基準法・最低賃金法や改善基準告示の違反をタクシー職場から確実に一掃するために尽力すること。



【初乗り距離短縮運賃、事前確定運賃、相乗りタクシー、定期券タクシー、変動迎車料金等の検証と労働組合との協議機関の設置】

❶初乗り距離短縮運賃、事前確定運賃、相乗りタクシー、定期券タクシー、変動迎車料金、が実証実験を経て導入されようとしていますが、その新たな運賃制度の導入が運送収入を低下させ、また、労働者にリスクを負わせることのないよう、しっかりと検証し、運送収入の低下や労働者負担の増加が懸念される場合は導入しないこと。
❷新たな運賃制度の導入に当たっては、実証実験段階から労働組合との協議機関を設置し、労働者の声が反映される取り組みとするとともに、検証作業においても労働組合を参加させること。


Ⅵ.闘いの進め方

1.春闘体制の強化

❶各地連・地本及び各単組・支部・分会においては、春闘討論集会や学習会、春闘決起集会等の職場集会・地域集会を開催し、春闘情勢、方針、要求事項について意思統一をはかります。
また、ストライキ権を確立し、組合員が一体となった闘争体制を築きます。
❷団体交渉の内容を広く組合員に伝えるための「春闘ニュース」等を各職場で発行に努力します。

2.要求の提出と妥結の集中化

❶第98 回中央委員会において2020春闘方針を決定し、それ以降は中央執行委員会のメンバーで中央闘争委員会を立ち上げ、春闘の指導を強化します。
❷すべての地連・地本及び各単組・支部・分会は、要求提出日までにストライキ権(組合員の無記名投票による過半数の賛同)を確立します。
❸要求提出は2月末日までとします。回答指定日は3月○○日とします。
❹闘いのヤマ場には、ストライキを含む「統一行動日」「統一行動ゾーン」を設定して交渉を集中させ、解決を促進します。その日程は中央闘争委員会で決定します。
❺春闘期間中に、連合、交運労協やハイタクフォーラムをはじめ地域の共闘を強化し、幅広い共同行動を組織しながら労働条件向上や白タク・ライドシェア反対の行動を組織します。

3.春闘における組織拡大の行動展開

❶各単組・支部は、職場の未加入者に対し、これまで以上に組合加入の働きかけを強化します。
執行委員会等で具体的な加入拡大目標とオルグ担当を決めて加入促進をはかります。
とりわけ、正社員の全員加入はもとより、嘱託・定時制の加入促進をめざして全力で取り組みます。
❷地連・地本は、春闘時に地域の全自交未加盟組合や未組織の仲間との交流を可能な限り組織し、学習会への参加や春闘に関する情報交換、春闘勝利に向けた共同行動を重ね、全自交加盟や労組結成を働きかけます。
また、アンケート等を通して対象職場の情報を得ながら、地域の賃金・労働条件の相場を伝え、職場課題の解決をサポートして、労働条件改善とともに、「公正競争確保」「同一地域における労働条件統一の重要性」を訴えながら、信頼関係を築きます。








青森運賃ブロック・運賃改定早期実施!

運賃改定は労働条件向上の原資だ!早期に実施しろ
全自交青森地連は11月17日、青森労働福祉会館で第53回定期大会を開き、新年度の方針を決定しました。冒頭に挨拶した後藤勝委員長は、4月の八戸市議選で青森地連の組織内候補である山名文世氏の当選と7月の参議院選挙で推薦した吉田忠智氏の当選を報告し、組合員の協力に感謝するとともに「この勝利を活かして、暴走する安倍政権を倒し、ライドシェア阻止をやり抜こう」と参加者に訴えました。
来賓として東北地連の森茂書記長、八戸市の山名文世市議会議員や連合青森、平和労組、交運労協、社民党、労福団体の各代表が連帯の挨拶を行いました。その後、全自交労連の高橋学書記次長が講演し、ライドシェアを阻止してタクシーが地域交通の主力を担うことを訴えました。続いて、江良實書記長が八戸市議選、年休の仮想営収方式を実現した2019春闘、反核燃闘争等を報告し承認を得た後、青森運賃ブロックにおける運賃改定の早期実施、ライドシェア合法化阻止、安倍政権打倒を柱とする新年度運動方針案を提案し、満場一致で承認されました。また、新たに副委員長として佐々木彰氏を選出し、役員体制を強化しました。最後にガンバロウ三唱で団結を固め合いました。

●三八五交通労組役員研修会
 
11月19日には全自交青森地連の三八五交通労組が役員研修会を開き(写真・左)、労働組合の基本的な権利や運営方法を学習しました。研修会では、江良實東北地連委員長、山名文世八戸市議、森茂東北地連書記長、高橋学全自交労連書記次長が講演しました。


ライドシェア反対の意見書採択が拡大

全自交山形地本は11月26日、山形市・大手門パルズで第62回定期大会を開催し、新年度運動方針を確立しました。
遠藤委員長は、度重なる災害に対する支援金の協力を要請するとともに、共済加入等の日頃の備えの重要性を訴えました。また、ライドシェア反対の意見書採択を山形県議会をはじめとする県内28の県市区町村議会まで拡大した取り組みを報告するとともに、乗務員の労働条件が一向に改善していない状況を突破するために「組織を強化して、労働条件向上に地道に取り組もう」と訴えました。
来賓として連合山形、山形県平和センター、山形県交運労協、労働金庫、こくみん共催COOPらの代表者が挨拶し、参加者を激励しました。
その後、全自交労連の高橋書記次長がライドシェアの危険性と労働組合の存在意義について講演。そして、参加代議員の全ての職場から乗務員不足への対応等の課題を出し合い議論を深めました。
新年度も団結してガンバロウ


ライドシェア阻止を共に取り組もう

大会終了後、遠藤委員長、石川書記長らが山形駅前の東口、西口のタクシーのりばで全自交への加盟を呼びかける組織拡大ビラとライドシェアの危険性と導入反対を訴えるビラ配布を行いました。
全自交のOBやかつて全自交加盟組合があった職場の乗務員、個人タクシーの方とタクシーの職場環境の変化について対話を重ね、ライドシェアの導入を阻止する運動を大きくするためにも全自交に加入し共に行動することを呼びかけました。
ビラまきでライドシェアの危険性を訴える


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